全身麻酔用薬剤セットに「デキサート」を追加した!

 何事もそうだが、手間をかければかけるほどにクォリティは向上する。麻酔についても、吸入麻酔よりは、TIVA の方が麻酔のクォリティは高いのだろうが、薬剤準備の手間と時間、そして薬物使用に伴う費用、また薬物が余った場合には廃棄しなくてはならないという無駄が発生する。また、TIVA の場合には、可及的に BIS モニターも使用したくなる。しかし、センサー代は保険診療点数では賄えない。

 忙しい日常臨床の中では、麻酔の質と、それに関わる手間と時間、費用とのバランスを取るのはなかなか難しい。

 価格は安いが麻酔からの回復の質を向上させる薬物としては、近年、デキサメタゾンについて多くのスタディが行われており、PONV 抑制効果、鎮痛補助効果、挿管後の咽喉頭痛軽減作用などが報告されている。

 これまで、デキサメタゾンは、手術室の中央薬剤としての扱いで、全身麻酔用の薬剤セット「全麻セット」に入れていなかったのだが、先日、全麻セットにデキサートを追加した。これで、中央保管庫にまでその都度取りに行かなくても、挿管症例やラリマ症例に気軽に使用できるようになった。

 ちなみに、デキサメタゾンの薬価は、
1.デカドロン注射液3.3mg 1mL 管 MSD 188.00 円
2.デキサート注射液3.3mg 1mL 管 富士製薬工業 97.00 円

 コストが 100 円で、麻酔の回復の質が多少とも向上するのであれば、禁忌がなけれが積極的に使用してよいのではないだろうか。

<根拠になった関連記事>

1.術後咽喉頭痛の予防のためのデキサメタゾン: 系統的レビューとメタ分析

2.PONV 予防のデキサメタゾン:無作為対照試験のメタ分析最新版

3.術後痛へのデキサメタゾンの周術期単回全身投与:無作為対照試験のメタ分析

4.周術期の低用量デキサメタゾン単回投与が血糖値に及ぼす効果; 婦人科手術患者での無作為偽薬対照試験

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