帝王切開と分娩後出血に対するトラネキサム酸のまとめ

トラネキサム酸5.png これまで当ブログで紹介した記事から、帝王切開、あるいは分娩後出血に対してトラネキサム酸を投与した研究を年代順にまとめて、要点を付してみた。

1.高用量トラネキサム酸は分娩後出血で出血量を減少させる
Critical Care 2011, 15:R117
・1 時間で初期負荷投与量 4g、引き続き 1g/h で 6 時間投与。
・高用量 TA は PPH の出血量と母体罹患率を減少させることを初めて証明。

2.帝王切開でのトラネキサム酸:二重盲式偽薬対照無作為臨床試験
Archives of Gynecology and Obstetrics published online 111 Nov 2012
・対象帝王切開患者数:223人。
・トラネキサム酸は、術中・術後の出血量を減らした。
・静脈血栓塞栓症、胃腸症状、過敏症といった TA に原因する合併症は観察されなかった。

3.待機的帝王切開を受ける患者の出血量に及ぼすトラネキサム酸の有効性
Journal of Maternal-Fetal and Neonatal Medicine, Vol26(17)Nov 2013
・CS 10 分前にトラネキサム酸 1g を緩徐に静脈内投与。
・平均総出血量:研究群 241.6(SE 6.77)ml vs 対照群 510(SE 7.72)ml。
・トラネキサム酸 1g 投与するだけで、出血量が半減。

4.子宮下部帝王切開時の出血量減少におけるトラネキサム酸の有効性
Int J Reprod Contracept Obstet Gynecol. 2014; 3(2)
・LSCS の 20 分前にトラネキサム酸 1g を緩徐に静脈内投与。
・術中:研究群 289.4±71.4mL vs 対照群 328±58.9mL(P=0.004)。
・胎盤娩出~分娩後 2 時間まで:研究群 360.9±110.3mL vs 対照群 443±88.55mL(P=0.0008)。
・トラネキサム酸の投与によって、胎盤娩出後では 1/4 程度減少。

5.分娩後出血のリスクの低い妊婦へのトラネキサム酸の予防的投与; 系統的レビューとメタ分析
Acta Anaesthesiologica Scandinavica first published online: 29 JUL 2014
・系統的レビューとメタ分析
・トラネキサム酸は、効果的に分娩後出血を減少。
・輸血の発生率への影響は、さらに研究が必要。

6.トラネキサム酸は帝王切開時とその後の出血を減少させる
Asian Pacific Journal of Reproduction (2014)53-56
・対照患者数は 223 人、最終分析は各群 106 人。トラネキサム酸投与量は 1g/2分。
・胎盤娩出~帝王切開終了まで出血量:対照群 606.8±193cc vs 研究群 369.5±198cc。
・術後 6 時間の経膣出血:対照群 85.0±30.7 vs 研究群 30.8±49.3cc。
・分娩後出血の発生率:研究群 31.1% vs 対照群 63.2%。
・帝王切開の周術期出血量が約 1/3 減少する。

これくらいエビデンスが集積されたら、帝王切開時のトラネキサム酸投与はルーチン化しても良いのではないかな。

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