覚醒時興奮を予防するためのセボフルラン麻酔後のプロポフォールへの移行; RCT

Transition to propofol after sevoflurane anesthesia to prevent emergence agitation: a randomized controlled trial.
Paediatr Anaesth. 2015 Jan 13. doi: 10.1111/pan.12617. [Epub ahead of print]

・覚醒時興奮(EA)は、小児のセボフルラン麻酔後によく見られる行動障害である。セボフルラン麻酔終了時のプロポフォール 1mg/kg のボーラス投与は、EA の発生率を減少させる上でにまちまちの結果であったのに対し、麻酔の維持中ずっとプロポフォールを持続注入した場合は、効果的なようだが、投与がより複雑となる。もしも、簡単な短時間プロポフォール麻酔への移行が EA 減少に有効であると判明したならば、セボフルラン麻酔後の小児の回復を増進できる可能性がある。そこで、著者らは、セボフルラン麻酔終了時に 3 分間にわたってプロポフォール麻酔に移行すると、小児 EA の頻度が減少するするかどうか調査しようとした。

・本前向き無作為化比較試験では、磁気共鳴画像(MRI)スキャンをセボフルラン麻酔下で受けた年齢 1-12 歳の 230 人の小児を、セボフルラン麻酔終了時に、プロポフォール 3mg/kg を 3 分かけて投与するか(プロポフォール群)、投与しないか(対照群)のどちらかに無作為に割り付けた。EA は、覚醒後 30 分まで、小児覚醒麻酔せん妄(PAED)スケールとワッチャスケールを用いて割り当てを知らされない評価者によって評価された。PAED スケール上の EA は PAEDスコア>12 と定義した。ワッチャスケールでの EA は、スコア≧3 と定義した。覚醒、麻酔回復室(PACU)からの退室、帰宅までの時間も記録した。

・データは、218 人の小児で分析した。EA の発生頻度は、PAED スコア(29% vs 7%、相対リスク=0.25; 95%信頼区間 0.12-0.52、P<0.001)とワッチャスコア(39% vs 15%、相対リスク=0.37、95%信頼区間 0.22-0.62、P<0.001)の両方で、プロポフォール群の方が少なかった。EA の持続時間と重症度もまたプロポフォール群で軽減した。ミダゾラム前投薬、術前から存在した認知機能や行動障害、年齢層での事前計画されたサブ群解析では著者らの調査結果を変えることはなった。覚醒時間と PACU 在室時間はともにプロポフォール群の方が平均 8 分増加した(P<0.001)が、帰宅時間には差がなかった。

・セボフルラン麻酔終了時のプロポフォールへの移行は、EA の発生率を減少させ、覚醒の質を向上させる。回復時間がわずかに増加するが、帰宅退院が遅れることはない。

[!]:導入時と覚醒時だけプロポフォールを使用する「キセル」麻酔というのが昔流行ったことがあるが、やはり有効なんだな。3mg/kg を 3 分間か、覚えやすいぞ。

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