分娩時のレミフェンタニルによる患者管理鎮痛 vs 硬膜外鎮痛: 無作為多施設同等試験

Patient controlled analgesia with remifentanil versus epidural analgesia in labour: randomised multicentre equivalence trial
BMJ. 2015 Feb 23;350:h846. doi: 10.1136/bmj.h846.

・本研究の目的は、分娩時硬膜外鎮痛と比較して、レミフェンタニルによる患者管理鎮痛を使用した疼痛軽減に関する女性の満足度を調査することであった。

・経膣分娩するつもりの中等度から高度の産科的リスクのある女性を対象とした、オランダの 15 病院での多施設無作為化比較同等試験。疼痛緩和に関する満足度の臨床的に関連する 10% 以上の差異を除外するために、著者らは 1136 人の女性を含める必要があった。満足度に関する値が不足しているため、この患者数は、分析前に 1400 人まで増やした。著者らは、多重代入法を使用して欠落データを補完した。活動性陣痛が開始する前に、同意した女性は、分娩時疼痛緩和を要望した場合、レミフェンタニルによる患者管理鎮痛か、または硬膜外鎮痛による疼痛緩和戦略に無作為に割り付けた。主要評価項目は、VAS で 1 時間毎に測定され、曲線下面積(AUC)で表れされた疼痛緩和に関する満足度であり、そうすることによって疼痛緩和に関する全体的満足度の時間加重尺度を提供した。AUC が高いほど、疼痛緩和満足度が高いことを表している。二次評価項目は疼痛強度スコア、分娩様式、母体と新生児の転帰だった。分析は、ITT 解析によって行われた。研究は、主要転帰に関する同等性研究と定義した。

・1414 人の女性が、無作為化され、709 人がレミフェンタニルによる患者管理鎮痛に、705 人が硬膜外鎮痛に割り当てられた。ベースライン特性は同等であった。疼痛緩和は、最終的にはレミフェンタニル群では 65%(347/671)で、硬膜外鎮痛群では 52%(447/687)で使用された(相対リスク 1.32、95%信頼区間 1.18-1.48)。治療法の変更は、それぞれ、女性の 7%(45/687)と 8%(51/671)で発生した。レミフェンタニルで主に治療された女性では、13%(53/402)が硬膜外鎮痛に変更したのに対して、主に硬膜外鎮痛で治療された女性では 1%(3/296)がレミフェンタニルに変更した。疼痛緩和に関する全体的満足度の曲線下面積は、レミフェンタニル群で 30.9に対して硬膜外鎮痛群では 33.7 であった(平均差 -2.8、95%信頼区間 -6.9~1.3)。実際に疼痛緩和を投与された患者の、鎮痛開始後の疼痛緩和満足度の曲線下面積は、レミフェンタニル群で 25.6 に対して、硬膜外麻酔群では 36.1 であった(平均差 -10.4、-13.~ -7.0)。帝王切開率は、両群ともに 15% であった。酸素飽和度(SpO2<92%)はレミフェンタニルを使用した女性の方が有意に低かった(相対リスク 1.5、1.4~1.7)。母体と新生児の転帰は両群間で同等であった。

・陣痛中の女性で、レミフェンタニルによる患者管理鎮痛は、疼痛緩和の満足度スコアに関して、硬膜外鎮痛と同等とはいえない。疼痛緩和の満足度は、硬膜外鎮痛に割り当てられ、投与された女性の方が有意に高かった。

[!]:レミフェンタニルによる無痛分娩は、硬膜外穿刺というテクニックが不要なので、麻酔科医不在のどこの病院でも施行可能で簡便ではあるが、患者満足度は、硬膜外鎮痛には及ばないということだ。

<関連記事>

1.陣痛中のレミフェンタニル患者管理鎮痛 vs 硬膜外鎮痛:多施設無作為対照試験(研究プロトコル)

2.無痛分娩:レミフェンタニル IVPCA とロピバカイン+フェンタニルの硬膜鎮痛を比較した無作為対照試験

3.分娩中のフェンタニルによる iv-PCA の後ろ向き評価

4.レボブピバカインとフェンタニルを使用したPCEAで基礎注入のある場合とない場合の無作為対照試験

5.脊硬麻 vs 硬膜外無痛分娩:初回クモ膜下鎮痛は、後続硬膜外ブピバカイン濃度を減らせるか?


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック