産科麻酔・鎮痛で脊柱管内への局所麻酔薬にネオスチグミン添加の効果についての系統的レビュー

A systematic review of the effects of adding neostigmine to local anesthetics for neuraxial administration in obstetric anesthesia and analgesia
International Journal of Obstetric Anesthesia Published Online: May 19, 2015
<ハイライト>
・著者らは、産科麻酔と鎮痛におけるネオスチグミンの脊椎管への使用を検討した。
・補助薬としての脊椎管内ネオスチグミンは、局所麻酔の投与量の減少をもたらす。
・硬膜外では大丈夫だが、クモ膜下のネオスチグミンは、嘔気のリスクを増大させる。
・脊椎管内ネオスチグミンは母体血行動態の安定性を損なうことはない。
・補助薬としての脊椎管内ネオスチグミンは、胎児には安全であるようだ。

<要旨>
・産科患者に使用される薬物は、2 つの目標を達成しなければならない:母体と胎児の双方にとっての有効性と安全性。ネオスチグミンは、産科領域で、局所麻酔薬や他の補助薬と共に硬膜外やクモ膜下に併用されてきた。本メタ分析の目的は、産科麻酔でのネオスチグミンの使用に関連する有効性と有害事象の頻度を評価することであった。

・データソースとして Google Scholar と PubMed を使用してヒトでの無作為化対照臨床試験のメタアナリシスを実施した(2014 年 11 月 1 日に更新)。包含基準は以下とした:治療に無作為に割当て;ネオスチグミン、あるいは局所麻酔薬と他の補助薬にネオスチグミンを併用場合 vs プラセボ、あるいは局所麻酔薬と他の補助薬にプラセボを併用した場合で比較;倫理委員会による承認。

・脊柱管内麻酔における補助薬としてのネオスチグミンの使用は、無痛分娩時と帝王切開後の術後鎮痛時の局所麻酔薬投与量の減少と関連している:局所麻酔剤(ロピバカイン、またはブピバカイン)の対照群に比較した平均減少度 -4.08(95%CI -6.7~-1.5)mg/h(P=0.002)。クモ膜下ネオスチグミンの方が、対照群よりも嘔気のリスクが増加した(OR 8.99 [95%CI 4.74~17.05]、P<0.001)が、硬膜外ネオスチグミンでは増加しなかった(OR 0.97 [95%CI 0.46~2.05]、P=0.94)。脊椎管内ネオスチグミンの使用は、掻痒症リスクの減少と関連していたが、低血圧、めまい、鎮静の発生率の増加や胎児心拍数の異常型の頻度やアプガースコアには影響がなかった。

・ネオスチグミンの脊椎管内投与は、母体と胎児に重大な有害作用をきたすことなく、局所麻酔薬の消費量を有意に減少させる。しかし、ネオスチグミンは、クモ膜下へ使用した場合は、母体の嘔気嘔吐の発生率を有意に増加させるので、硬膜外への投与のみが推奨できる。

[!]:通常使用されているエステル型局所麻酔薬は、血漿中のコリンエステラーゼで速やかに分解されるが、脳脊髄液中にも血中の 1/20?1/100 ではあるが偽コリンエステラーゼ活性があるので、この活性をネオスチグミンでブロックすることによって、局所麻酔薬の代謝が抑制され、結果的に投与量が減少する。

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