健常成人でモルヒネとミダゾラムが咽頭機能、気道保護、呼吸と嚥下の協調運動に及ぼす効果

Effects of morphine and midazolam on pharyngeal function, airway protection, and coordination of breathing and swallowing in healthy adults.
Anesthesiology. 2015 Jun;122(6):1253-67. doi: 10.1097/ALN.0000000000000657.

・麻酔と集中治療で鎮静に使用される薬剤は、咽頭機能不全と誤嚥リスクの増加を引き起こす可能性がある。本研究で、著者らは、モルヒネとミダゾラムの鎮静用量が嚥下時の咽頭機能、および呼吸と嚥下の協調運動に及ぼす影響を調査している。

・32 人の健康ボランティア(年齢 19 歳~35 歳)で、咽頭機能、呼吸と嚥下の協調運動、鎮静度を、圧力計、X線ビデオ、呼吸気流測定、視覚アナログ尺度によって評価した。ベースラインの記録後に、モルヒネ(0.1mg/kg)か、またはミダゾラム(0.05mg/kg)を 20 分間で経静脈投与し、注入終了後 10 分と 30 分の時点で記録した。

・誤った方向や不完全な嚥下、あるいは気道へ食物塊への進入といった咽頭機能不全は、モルヒネ注入後には、、ベースラインの記録での 17% と比較して、42% と 44% へと増加した。ミダゾラムは、咽頭機能不全の発生率を 16% から 48% と 59% へと著しく増加させた。モルヒネは嚥下前の無呼吸を延長し、ミダゾラムは、後に吸気を伴う嚥下の回数を増加させた。

・鎮静作用を生じる用量のモルヒネとミダゾラムは、咽頭機能不全、呼吸と嚥下の非協調運動、つまり、気道保護を障害し、誤嚥のリスクを増加させる可能性のある組み合わせの発生頻度の増加と関連している。

[!]:当たり前と言えば当たり前かも。麻酔で気管挿管に補助的に使用できる薬物は全てこういった作用があるからこそ使用されているのだから。しかし、こういうネガティブなデータはあまり明確にはされていないんだよね。イレウスで、誤嚥リスクのある患者に、NG チューブも入れずに、ペンタゾシンとアタラックス P の注射を指示している医者もいるくらいだ。誤嚥リスクを増加させるなどとはまったく考えもしないのかも。

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