「麻酔科医交代時の引継ぎチェックリスト」を作成した

 今回の麻酔学会の第 14 回リフレッシャコースの中で、
R14:「麻酔科医のためのコミュニケーションスキル- 安全な麻酔医療のために」を受講した。東京慈恵会医科大学麻酔科学講座 木山 秀哉教授の講義だった。とても文字数が少なくビジュアルで、観て楽しめるプレゼンテーションでした。

・コミュニケーション・エラーが致命的結果を招いた症例の提示があった。
1.Hardy手術後の開頭再手術に際し、急に麻酔担当になった医師が施設ルーチンの経鼻挿管を行って、頭蓋内挿管となり大出血、頭蓋内出血と脳圧亢進で数日後に死亡。

2.イコデキストリンで腹膜透析している慢性腎不全患者の甲状腺腫術に際し、簡易血糖測定装置で測定すると有意に高く測定されたため、その後は検査室で測定したが、術後 ICU では再び簡易測定法が使用されたため致死的低血糖を来たし、数日後に死亡。

3.若い健康な女性の耳鼻科手術で、挿管困難・換気困難をきたし、導入 35 分後に気管挿管を断念したが自発呼吸が再開しただけで 13 日後に死亡。問題視されたのは、状況認識の欠如と、手術室看護師が代替手段・方策を強く主張できなかったこと。

・麻酔科医が交代する際、たとえ短時間であっても麻酔管理上の重要なポイントをきちんと引き継ぐべきである。
・症例報告論文のキーワードには「communication」という単語はない。
・麻酔開始前に手術室看護師と麻酔科医が行う「ブリーフィング」は意思疎通を潤滑にする効果が期待される。

さっそく、当院でも「麻酔科医交代時の引継ぎチェックリスト」を作成して、各部屋の麻酔器にぶら下げるようにした。
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4 月に研究費で手術室と麻酔科用にラミネータを購入したので、これも活用できてよかった、よかった。

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