目標指向治療が開腹腹部大動脈瘤修復時の炎症反応に及ぼす効果についての無作為対照試験

A randomized controlled trial on the effects of goal directed therapy on the inflammatory response open abdominal aortic aneurysm repair
Critical Care 2015, 19:247 doi:10.1186/s13054-015-0974-x Published: 10 June 2015

・目標指向治療(GDT)は周術期の合併症率と死亡率を減少させることが多くの研究で示されている。しかし、GDT の利益のメカニズムは、明確にはされていない。GDT による血管内皮を目標とした体液回復は術後の炎症反応を変化させ、そのために本治療法で合併症が減少する可能性がある。

・本研究は NCT01681251 として政府臨床試験に登録された。待機的な腹部大動脈瘤(AAA)に対する開腹修復術を受ける、年齢 18 歳以上の 40 人の患者は、動脈圧波形輪郭心拍出量モニターによる 1 回拍出量変動(SVV)を指標とした介入群か、対照群に無作為化され、輸液療法は担当麻酔科医の裁量によって管理された。著者らは、術前と術後のいくつかの時点で、いくつかの炎症性サイトカイン(CRP、ペントラキシン 3、ST-2、IL-1Ra、TNFR-III))の濃度を測定して、炎症反応に差があるかどうか調査した。また、術後合併症の複合を、各群で評価した。

・20 人の患者は、GDT 群に、20 人は対照群に無作為化された。在院期間は群間で差がなかった。介入群患者の方が晶質液投与量が少なく、膠質液の投与量が多かった。手術終了時点で、介入群患者の方が心係(3.4±0.5 vs 2.5±0.7 L/分/m2、P<0.01)と 1 回拍出量係数(50.1±7.4 vs 38.1±9.8mL/m2、P<0.01)が対照群よりも高かった。介入群の方が対照群よりも有意に合併症数が少なかった(28 vs 12、P=0.02)。在院期間や ICU 在室期間には群間で差がなかった。炎症性サイトカイン濃度に群間差はなかった。

・GDT で治療された患者群では、合併症が少なく血行動態が改善されたにもかかわらず、炎症反応には差がなかった。これは、GDT の臨床的利点は、炎症性負荷が同等であっても生じることを示唆している。GDT の利点のメカニズムを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。

[!]:GDT によって得られる利益は、炎症反応の抑制を介したものではないと。心係数が高い方がやはり良いのか? しかし、どれくらい高値であれば良いのか、何を目標にするべきなのか。

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