Q:体内に存在する嚢腫や血腫の内容量の計算法

 これは、もうずいぶんと前に(15 年くらい前かな?)脳外科 Dr に教わった方法だ。

 嚢腫なり血腫の CT 画像上の、縦、横、奥行きの 3 次元方向の直径をそれぞれ A、B、C とすると、その内容量は、

「A×B×C/2」(mL)という計算式で推定できる。

 今日は、たまたま高齢女性の巨大卵巣嚢腫の緊急手術があった。腹部 CT 画像上の、一番面積が大きく見えるスライスでの嚢腫の縦径=12cm、横径=23cm であった。また最も頭側から最も尾側のスライスまでが、1cm ごとのスライスで 46 スライスに嚢腫が写っていた。

 従って、推定嚢腫容量=12×23×46/2=6348 mL と推定された。
 CT 上のスライスの両端は確率的には 1/2 なので、45 cm で計算すれば、
 推定嚢腫容量=12×23×45/2=6210 mL
 ちなみに実測値は、 6100 mL であった。ほぼ正解と言ってよかろう。

 さて、この単純な公式はどうやって導かれたものだろうか?

 まず、「球の体積」は、半径を r とすると、
 4/3×π×r3
 で表される。これは誰でも皆良く知っているだろう。

 次に、「楕球の体積」は、3方向の半径を a、b、c とすると、同様な公式で、
 4/3×π×a×b×c
 で表される。

 では、ここで、3つの変数 a、b、c を3方向の直径 A、B、C に置き換えてみよう。そうすると
 4/3×π×a×b×c
 = 4/3×π×(A/2)×(B/2)×(C/2)
 ≒ A×B×C/2
 となり、非常に簡単な公式に変形することができた。

 研修医とクリクラの学生に、これらの説明をして、
「どうや、分かったか!? 高校生やったら理解できる範囲や。」と言っておいた。

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