末期腎疾患患者でロクロニウム誘発性深い筋弛緩拮抗におけるスガマデクスの安全性と有効性

Efficacy and safety of sugammadex in the reversal of deep neuromuscular blockade induced by rocuronium in patients with end-stage renal disease: A comparative prospective clinical trial.
Eur J Anaesthesiol. 2015 Oct;32(10):681-686.

・腎障害は、非脱分極性筋弛緩薬の薬理学に影響を及ぼし、神経筋機能の回復を予測不可能なものにする。スガマデクスは、ロクロニウムをカプセル化することによってロクロニウム誘発性筋弛緩に拮抗し、主に腎臓から排泄される安定した複合体分子を作る。これまでの研究でスガマデクスは腎不全の存在下で中程度筋弛緩を拮抗させるのに有効であることが示唆されているが、腎不全患者での深い筋弛緩の拮抗に関しては得られるデータがない。

・本研究の目的は、末期腎疾患と腎機能正常の患者で、ロクロニウム誘発性の高度の筋弛緩を拮抗する上で、スガマデクスの有効性と安全性を比較することである。2011 年 10 月 1 日から 2012 年 1 月 31 日まで、2 つの大学病院で、腎移植受けた 40 人の患者で、腎不全患者 20 人[クレアチニンクリアランス(CLCR)で<30mL分]と対照患者(CLCR>90mL分) 20 人を対象とした前向き臨床試験である。神経筋モニタリングは加速度筋弛緩モニターと四連反応(TOF)刺激によって行った。深い筋弛緩(反復刺激後カウント、1~3 個の反応)状態を術中に維持した。スガマデクス 4mgkg を、皮膚閉鎖の完了時に投与した。TOF 比 0.9 への回復を記録した。神経筋機能のモニタリングをさらに 2 時間麻酔回復室で続けた。主要評価項目として、スガマデクスの有効性を、TOF 比が 0.9 にまで回復するのにかかった時間により評価した。スガマデクスの安全性は、2 時間の間 15 分毎に筋弛緩の再発をモニターすることによって評価した。副次評価項目は、TOF 比が 0.7-0.8 に回復するまでの時間であった。

・スガマデクスの投与後、TOF 比が 0.9 にまで回復するための平均時間は、対照群(2.7±1.3分)と比較して腎不全群(5.6±3.6分、P=0.003)で延長した。有害事象や、筋弛緩再発の証拠は認められなかった。

・腎不全患者では、スガマデクス(4mg/kg)は、深いロクロニウム誘発性筋弛緩を効果的かつ安全に拮抗するが、回復は健康な患者よりも遅かった。

[!]:両群で、PTC を同じ値に維持して、同じ用量のスガマデクスを投与したのに、なぜ腎不全患者群で、回復が遅れるのだろうか? 

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