人工膝関節または股関節全置換術を受けた患者における手術部位感染に及ぼす麻酔管理の影響

The Impact of Anesthetic Management on Surgical Site Infections in Patients Undergoing Total Knee or Total Hip Arthroplasty.
Anesth Analg. 2015 Nov;121(5):1215-21. doi: 10.1213/ANE.0000000000000956.

・手術部位感染(SSI)は、全関節形成術に関連した最も困難かつ費用のかかる合併症の 1 つである。この症例対照試験における著者らの主な目的は、脊柱管麻酔 vs 全身麻酔下で初回の人工膝関節全置換術(TKA)または股関節全置換術(THA)およびリビジョン TKA または THA を受けた患者の手術から 1 年以内の SSI のリスクを比較することであった。著者らの第二の目的は、どの患者、麻酔、手術変数が SSI のリスクに影響するのかを調査することであった。著者らは、脊柱管麻酔を受ける患者は全身麻酔を受ける患者群と比較して、SSI の危険性が低い可能性があるという仮説を立てた。

・著者らは、1998 年 1 月 1 日から 2008 年 12 月 31 日に、一次またはリビジョン TKA と THA を受け、その後、SSI と診断されたた患者の後ろ向き症例対照研究を行った。症例は、関節置換術の種類(THA vs TKA)、手術の種類(初回、両側、リビジョン)、性別、手術日付(1 年以内)、ASAーPS(I と II vs III、IV、V)、手術時間(<3 vs >3 時間)に基づいて、対照群と 1::2 に相応させた。

・11 年の期間中に、202 件の SSI が同定された。同定された感染症のうち、115 例(57%)は、最初の 30 日以内に発生し、87 例(43%)は、31 日から 365 日の間に発生した。単変量および多変量の両分析からは、脊柱管麻酔の使用と術後感染との間には有意な関連が見られなかった(単変量オッズ比[OR]=0.92、95%信頼区間[CI] 0.63-1.34、P=0.651;多変量 OR =1.10; 95%CI、0.72-1.69、P=0.664)。末梢神経ブロックもまた、術後感染のリスクに影響がないことが分かった(単変量 OR = 1.41、95%CI、0.84-2.37、P=0.193、多変量 OR =1.35、95%CI、0.75-2.44、P=0.312)。多変量解析で術後感染症に関連することが見出された要因は、現在の喫煙(95%CI、2.30-11.33 OR=5.10)、高い肥満指数(BMI)(BMI<25kg/m2 に比較して、BMI≧35kg /m2 の患者では、OR=2.68; 95%CI、1.42-5.06)。

・大規模データベースを用いた最近の研究では、全身麻酔に比べて脊柱管麻酔の使用は関節全置換術を受けた患者の SSI 発生率低下と関連していると結論付けている。本後ろ向き症例対照研究では、全身麻酔 vs 脊柱管麻酔で、関節全置換術を受けた患者における SSI の発生率に差は認められなかった。著者らはまた、末梢神経ブロックの使用は、SSI の発生率に影響を及ぼさないと結論付けた。高い BMI と現在の喫煙は、下肢関節全置換術を受けた患者における SSI の発生率を有意に増加させることが見出された。

[!]:麻酔法よりは、患者の生活習慣の方が有意に SSI に関係しているということか。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック