人工股関節全置換術での血液凝固に及ぼすトラネキサム酸の効果:回転トロンボエラストグラフィ

The effect of tranexamic acid on blood coagulation in total hip replacement arthroplasty: rotational thromboelastographic (ROTEMR ) analysis.
Anaesthesia. 2015 Nov 12. doi: 10.1111/anae.13270. [Epub ahead of print]

トラネキサム酸4.png・著者らは、トラネキサム酸と 6% ヒドロキシエチルデンプン 130/0.4 を同時投与されている人工股関節全置換術を受ける患者で、回転トロンボエラストメトリ(ROTEM)パラメータの変化と臨床転帰を評価した。

・55 人の患者を無作為にトラネキサム酸(N=29)か、または対照(N=26)群のいずれかに割り付けた。ヒドロキシエチルデンプンは、両群で術中に10~15 ml./kg の範囲で投与した。

・対照群では、術後 1 時間の時点での APTEM の血栓形成時間とクロットの最大堅固は、EXTEM ものと比較した場合、有意差が認められ、線維素溶解を示唆した。トラネキサム酸群では、術後の EXTEM と APTEM パラメータ間に有意差はなかった。トラネキサム酸と対照群では、術後出血は、それぞれ、308mL(210-420[106-745])と 488mL(375-620[170-910]、P=0.002)であり、総出血量は 1168 mL(922-1470[663-2107])と 1563mL(1276-1708[887-1494]、P=0.003)であった。術後 2 日目のヘモグロビン濃度は、トラネキサム酸群の方が高かった(10.5(9.4-12.1[7.9-14.0]) vs 9.6(8.9-10.5[7.3-16.0])g./dL、P=0.027)。

・人工股関節全置換術を受ける患者では、ヒドロキシエチルスターチによって悪化する術後線維素溶解は、10 mg/kg のトラネキサム酸の同時投与によって軽減し、術後出血が少なくなった可能性がある。

[!]:HES の投与は、とりあえずの容量補充には良いが、凝固系に悪影響を与えてその後の出血量を増やしてしまう可能性がある。使うのならトラネキサム酸を併用投与した方が良いということかな。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック