機能障害のある高齢患者での下肢切断術に及ぼす麻酔法の効果

The effect of anesthesia type on major lower extremity amputation in functionally impaired elderly patients
Journal of Vascular Surgery Published Online: November 06, 2015

・下肢切断術を受ける患者は、多種多様な周術期合併症のリスクがある。なんらかの機能障害を持つ高齢者は、これらの有害事象のリスクが高いことが示されている。著者らの目標は、これらの高齢者や機能障害のある患者で、麻酔の種類~全身麻酔(GA)か、脊髄/局所麻酔(RA)~と下肢切断後の周術期の転帰との関連性を調査することであった。

・米国外科学会手術の質向上プログラム(ACS-NSQIP)データセット(2005 年から2012 年)を検索して、下肢切断術を受けた、完全・不全機能障害のある、年齢 75 歳以上の全患者を同定した。傾向マッチングと多変量解析を実施して、麻酔の種類の影響を明確にした。

・著者らは、3260 人の患者(男性 50%)、2558 人の GA 患者と 702 人の RA 患者を同定し、平均年齢は 82 歳のであった。解剖学的分布は膝上が 59% で膝下切断術が 41% であった。GA を受けた患者は、知覚中枢障害(9% vs 6%、P=0.035)、抗凝固療法中か、出血性疾患がある(33% vs 17%、P<0.001)、前回の手術が 30 日以内(16% vs 10%、P<0.001)、血管外科医ではない医師による手術(16% vs 12%、P=0.033)である可能性が高かった。GA は RA と比較して、手術までの麻酔時間が短いことと関連していた(36±48 vs 42±49分、P<0.001)が、手術時??間はどうようであった(66±33 vs 64±33分、P=0.292)。傾向マッチングした後、GA と RA を受けた患者群で、それぞれ、30 日死亡率(14% vs 12%、P=0.135)、術後心筋梗塞/心停止(2.9% vs 3.1%、P=0.756)、肺合併症(7.3% vs 6.7%、P=0.632)、脳梗塞(0.7% vs 0.9%、P=0.694)、尿路感染症(6.7% vs 6.5%、P=0.887)、創部合併症(7.6% vs 7.6%、P =0.999)は同様であった。在院期間の中央値は両群で同様であった(5 vs 5.5 日、P=0.309)。多変量解析では、麻酔の種類は、罹患率と死亡率に有意な影響を及ぼさなかったことが確認された。

・麻酔の種類、RA vs GA は、機能障害のある高齢患者での下肢切断後の周術期転帰に有意な影響がない。これらの知見は、外科医、麻酔科医、患者が、手術に際しての麻酔の種類についての情報に基づいた意思決定を行うことを可能とするエビデンス基盤を提供する。

[!]:これまでの報告では、RA の方が予後が良いとするものが多かったように思うが、そうでもないのか。

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