Q:セリック手技(Sellick maneuver)とは?

A:クリコイドプレッシャー(cricoid pressure)、輪状軟骨圧迫法とも呼ばれる。ちなみに、輪状軟骨は英語で、"cricoid cartilage"。
通常、迅速導入(Rapid Sequence Induction)に際して使用される、胃内容の逆流を予防するために気管挿管介助者が行う処置である。

甲状軟骨と気管軟骨の後壁には軟骨が存在しないのに対して、輪状軟骨は上気道の中で、唯一全周性に軟骨が存在するため、前方から後方にある第 5 頸椎に向けて圧迫を加えることで、食道を間接的に圧迫・閉塞して、胃内容が口腔咽頭へと逆流するのを防ぐことができる。
画像

気管挿管に際して頚部(喉頭)を圧迫するという点では、直接喉頭鏡による喉頭視野を改善するための BURP 法とよく似ており、混同されがちであるが、その目的も、圧迫する部位や方向も異なるので、両者の違いをきちんと理解しておかなくてはならない。
【BURP 法】:甲状軟骨を後(B)・上(U)・右(R)方に圧迫(P)

【セリック手技】:輪状軟骨を 30N(3kg)で後方に圧迫

通常の気管挿管時に、「ちょっと首押さえてくれる!?」って言われたら、BURP 法の事。緊急手術でフルストマックが予想される症例で迅速導入を行う場合は、「クラッシュで行くから、首押さえてね!」っていわれたら、セリック手技だ。

通常、患者の右側に立つ介助者が、甲状軟骨(アダムのりんご)の下方にある輪状軟骨を右手の拇指と示指で撮むようにして後方(患者の背側)に圧迫する。
画像


<私のやり方>

(1) 100% 酸素 5L/分で 3~5 分、呼気酸素濃度>80% となるまで十分に前酸素化を行っておく。

(2) 患者さんに「ちょっと顎を突き出すようにしましょう。」と言って、頭部を後屈してもらって、頚部が伸展するようにしておく。これで甲状軟骨、輪状軟骨の位置が分かりやすくなる。

(3) 自分で甲状軟骨と輪状軟骨を触診して、介助者に輪状軟骨の位置を指さして「ここをお願いね。」と言う。

(4) 麻酔導入剤の投与直前から、介助者に輪状軟骨を軽く(就眠するまでは 10N で)圧迫してもらいながら、
「ちょっと首を押さえますけど、負けないように頑張って大きな息をしていてください。」と患者に声掛けしながら、麻酔導入剤を一気にボーラス投与する。

(5) 就眠後は輪状軟骨をしっかり圧迫しながら(30N)、導入剤(筋弛緩剤)の効果が十分出現するまで待つ(導入剤の投与法や用量にもよるが通常は 60~90 秒)。

(6) 気管挿管を終了してカフを多めに注入し終えるまで圧迫を続ける。

なお、30N(3kg)の圧迫の強さは、新生児体重計などを使って練習しておくことが望ましい。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 33

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック