良性子宮摘出術における予防トラネキサム酸の抗出血効果 - 二重盲式無作為化プラセボ対照試験

Anti-hemorrhagic effect of prophylactic tranexamic acid in benign hysterectomy - a double-blinded randomized placebo-controlled trial.
Am J Obstet Gynecol. 2016 Jan 29. pii: S0002-9378(16)00234-9. doi: 10.1016/j.ajog.2016.01.184. [Epub ahead of print]

トラネキサム酸2.png・子宮摘出術は、最も頻繁に行われる婦人科の主要手術術式の一つである。たとえ手術適応は両性であっても、比較的高い合併症率が報告されている。周術期の出血が合併症の最も一般的な原因となっているようで、2004 年では、良性子宮摘出術を受けたデンマークの全女性の 8% は出血性合併症をきたした。トラネキサム酸は、抗線維素溶解薬であり、他の外科系や内科系領域で出血性合併症を効果的に減少させることが示されている。しかし、良性子宮摘出術に関連した薬剤の効果についての知識はまだ不足している。本研究の目的は、待機的良性子宮摘出術における予防トラネキサム酸の抗出血効果を調査することである。

・二重盲式無作為化プラセボ対照試験を 2013 年 4 月から 2014 年 10 月に、デンマークの 4 つの婦人科部門で実施された。腹式、腹腔鏡下、膣式の良性子宮摘出術を受けた合計 332 人の女性が試験に含まれており、手術開始時にトラネキサム酸 1g か、またはプラセボの静脈内投与のいずれかに無作為に割り付けた。カイ検定とスチューデント T 統計分析を適用した。

・主要評価項目である術中の総出血量は、外科医による主観でも、重量で客観的に推定した場合、プラセボ群に比較して、トラネキサム酸で治療した群の方が、減少した(98.4mL vs 134.8mL、P=0.006 と 100.0mL vs 166.0 ml、P=0.004)。出血量≧500 の発生頻度もまた、有意に少なく(6 vs 21、P = 0.003)、非盲式のトラネキサム酸の使用を減少させた(7 vs 18、P=0.024)。また、術後の出血による再手術のリスクはプラセボ群と比較して、トラネキサム酸群の方が少なかった(2 vs 9、P=0.034)。これは、絶対リスクの 4.2% の減少と治療必要数 24 に相当する。血栓塞栓症や死亡の発生事例はいずれの群でも観察されなかった。

・結果から、トラネキサム酸による予防的治療は、良性子宮摘出に関連して、全体の総出血量、大出血事例、術後出血による再手術の必要性の減少させるという仮説が支持される。重篤な有害事象の発生はなかった。したがって、トラネキサム酸は、待機的良性子宮摘出術前の予防的治療として考慮されるべきである。

[!]:子宮は筋肉組織でありウージングによる出血量が多くなることがあるので、トラネキサム酸が出血量減少に有効だ。

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