帝王切開に際しての脊椎麻酔時のクモ膜下フェンタニルとブピバカインの相乗効果

Synergistic effect of intrathecal fentanyl and bupivacaine in spinal anesthesia for cesarean section.
BMC Anesthesiol. 2005 May 17;5(1):5.

・腹腔内手術に際してクモ膜下オピオイドを添加することによってクモ膜下局所麻酔薬の効果を増強することが知られている。本研究で、著者らは、フェンタニルを添加することによって、ブピバカインの投与量を最小化し、それによって、帝王切開においてより高用量のクモ膜下ブピバカインによる副作用を軽減しようとした。

・研究は、120 人の帝王切開妊婦を 6 群に分け、ブピバカインを 8、10、12.5mg 投与する B8、B10、B12.5 群、12.5μg フェンタニルを併用した FB8、FB10、FB12.5 群とした。考慮に入れたパラメータは、内臓痛、血行動態安定性、術中鎮静、術中と術後の震え、術後痛であった。

・T6 への知覚ブロック発現は、ブポバカイン単味群とブピバカイン-フェンタニル併用群で、ブピバカイン用量の増加に伴って急速に発生した。ブピバカイン低濃度だけでは内臓痛を完全に除去することはできなかった。血圧は、ブピバカインとフェンタニル濃度の増加とともに低下した。フェンニタルを追加することによって、嘔気や震えの発生率は有意に低下した一方で、術後鎮痛や血行動態安定性は増加する。フェンタニルによっては、掻痒症、母体の呼吸抑制、新生児のアプガースコアの変化は発生しない。

・産科患者における脊椎ブロックのなかで脊椎麻酔は、ごく少量の用量変化が、合併症や副作用が生じるため、厳格な用量計算を必要とし、本研究のきっかけとなった。ここでは、帝王切開に際しての脊椎麻酔で、ブピバカイン(局所麻酔薬)にフェンタニル(オピオイド)が及ぼす相乗的な、増強効果が示され、フェンタニルは、ブピバカインの投与量、したがって、その有害効果を減少させることができる。

[!]:当院では身長と体重から基本ブピバカイン用量を決め、これにフェンタニルを 10~25μg(0.2~0.5mL)、モルヒネを 0.1mg 添加している。

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