米国における硬膜外鎮痛の重篤な合併症の全国発生率

Nationwide incidence of serious complications of epidural analgesia in the United States.
Acta Anaesthesiol Scand. 2016 Feb 15. doi: 10.1111/aas.12702. [Epub ahead of print]

・本研究は、米国における成人の産科/非産科患者集団で、硬膜外鎮痛に関連した入院中の脊髄血腫や膿瘍の発生率とリスク要因を明らかにすることを目的とした。

・全国入院登録を分析して 1998 年から 2010 年に硬膜外鎮痛を受けた患者を同定した。主要評価項目は、脊髄血腫と硬膜外膿瘍の発生率であった。減圧椎弓切除術の使用も調査した。回帰分析を実施して、硬膜外鎮痛の合併症の予測因子を評価した。脊柱管合併症のある患者とない患者で、退院時の患者の死亡率と転院先の差を比較した。産科と非産科患者は別々に研究した。

・合計 3703755 件の硬膜外鎮痛処置(産科 2320950 件と非産科 1382805 件)が同定された。産科患者では、脊髄血腫の発生率は、硬膜外カテーテル留置 100,000 人当たり 0.6 (95%CI、0.3~10×1.0-5)であった。硬膜外膿瘍の発生率はゼロであった。非産科患者では、脊髄血腫と硬膜外膿瘍の発生率は、それぞれ、カテーテル留置 100,000 件あたり 18.(95%CI、16.3~20.9×10-5)と、100,000 件当たり 7.2(95%CI、5.8~8.7×10-5 5)であった。脊髄血腫の予測因子は、手術の種類(血管手術の方が高い)、病院の教育状況、併存疾患スコアが含まれていた。脊椎合併症を有する患者の方が、院内死亡率が高く(12.2% 対1.1%、P<0.0001)、自宅退院できる可能性が有意に低かった。

・この大規模な全国データ解析では、硬膜外鎮痛関連合併症の発生率は産科患者集団の硬膜外鎮痛では非常に低いこと、血管手術を受ける患者でははるかに高いことが明らかになった。

[!]:産科患者で硬膜外合併症が少ないのは、年齢層が若く、出血傾向が少ないためだろう。血管手術患者は術前から抗凝固・抗血小板療法を受けている可能性が高いから、合併症が多くなるではないだろうか。

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