股関節置換手術で総出血量を低減するためにトラネキサム酸をプラセボと比較: 無作為化臨床試験

Tranexamic Acid Compared with Placebo for Reducing Total Blood Loss in Hip Replacement Surgery: A Randomized Clinical Trial.
Anesth Analg. 2016 Apr;122(4):986-95. doi: 10.1213/ANE.0000000000001159.

トラネキサム酸.png・トラネキサム酸(TXA)は、股関節置換手術を受ける患者で出血量を減少させるが、最適な投与量とタイミングを確立するには至っていない。本研究での著者らの主な目的は、異なる処方と術後 48 時間の総出血量を評価することであった。

・これは、多施設、並行群、無作為化、プラセボ対照臨床試験で、選択基準を満たした片側人工股関節全置換術を受ける ASA I-III の全患者を含た。患者は無作為に 3 群の 1 つに割り当てられた:単回投与群(手術開始前に 15mg/kg TXA、手術開始 3 時間後生食)、2 用量群(手術開始前に 10mg/kg TXA、手術開始 3 時間後に10mg/kg TXA)、対照群(手術開始前と 3 時間後に生食)。総出血量は、ヘマトクリット値と投与された輸血量を考慮した式を用いて計算した。

・著者らは、本研究に 108 人の患者を含めた。2 日目までの総出血量は、単回投与、2 回投与群、対照群で、それぞれ、1377±689、1308±641、2215±1136mL であった(プラセボ群と実験群との間で、P<0.001)。輸血は、単回投与群で患者の 22.9 %(n=8)に、2 回投与群では 11.1%(n=4)、対照群では 37.8%(n=14)に投与された(P=0.028)。

・術前の TXA 単回投与、または低用量の術前と手術開始 3 時間後の 2 回投与は、術後 2 日間の出血量が少なく、輸血の必要量が少なく、安全性も良好であるという結果になった。

[!]:トラネキサム酸の単回投与と分割投与ではあまり変わらないのか。投与しない場合に比べて半減とまではいかないが、かなり出血量も輸血症例も減少する。


<関連記事>

1.人工股関節全置換術での血液凝固に及ぼすトラネキサム酸の効果:回転トロンボエラストグラフィ

2.米国の THA/TKA を受ける患者におけるトラネキサム酸使用と術後転帰; 有効性と安全性の後ろ向

3.全股関節置換術に際し低血圧硬膜外と全身麻酔併用下の術後出血量減少に及ぼすトラネキサム酸の効果

4.関節形成術に際しての輸血を最小限に抑える普遍的トラネキサム酸療法:プロトコル実施の後向分析

5.初回の膝関節置換術における出血を減少させるためのトラネキサム酸の静脈内投与と関節内局所投与を比較

6.TKA後の出血コントロールにおけるトラネキサム酸の効果と安全性:無作為臨床試験



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

驚いた
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック