開腹肝切除術を受ける患者の術後鎮痛のための硬膜外 vs 傍脊椎神経ブロック:無作為化臨床試験

Epidural Versus Paravertebral Nerve Block for Postoperative Analgesia in Patients Undergoing Open Liver Resection: A Randomized Clinical Trial.
Reg Anesth Pain Med. 2016 Jul-Aug;41(4):460-8. doi: 10.1097/AAP.0000000000000422.

・多くの研究では、開胸後の胸部硬膜外ブロックと片側胸部傍脊椎ブロックとの間に差は認められなかったが、これまでの研究で、開腹肝切除術を受ける患者で両側胸部傍脊椎ブロック(bTPVB)と硬膜外ブロックを比較したものはない。著者らは、肝切除後に胸部硬膜外が bTPVB を上回る有意な鎮痛上の利点があるかどうかを調査することを目的とした。

・本無作為化前向き非盲式試験は、待機的開腹肝切除術を受ける成人患者を含めた。患者は胸部硬膜外ブロックか bTPVB のいずれかに無作為に割り付けられ、それを通してロピバカイン(0.2%)を 3 日間注入した。主要評価項目は、安静時と術後のインセンティブスパイロメトリーによる痛みの口頭評価尺度(VRS)スコア(0-10)であった。副次評価項目には、安静時の VRS、インセンティブ・スパイロメトリ時の吸気量、患者管理鎮痛法のヒドロモルフォン使用量、血行動態安定性の尺度、術後腸機能が含まれた。

・80 人の患者が試験を完了し、胸部硬膜外ブロック(n=41)か、またはbTPVB(n=39)を受けた。カテーテル関連合併症は認められなかった。主要評価項目であるインセンティブスパイロメトリーに伴う痛み(VRS)は、硬膜外軍の方が有意に低かった(術後 24 時間で、硬膜外 vs bTPVB、平均[SD])(4.5[2.7] vs 5.4[2.7]、術後 48 時間で 3.2[2.1] vs 4.6[2.4])。術後 24 時間時点での最大吸気量(917[379] vs 1042[468]mL)と、術後 48 時間の患者管理鎮痛ハイドロモルフォン累積使用量(10.7[7.9] vs 13.6[8.5]?? mg)には群間にを有意差がなかった。術後 24 時間時点でのベースラインからの平均動脈圧低下は術後硬膜外群の方が大きかった(-12.6[15.8] vs -3.8[16.2]、P=0.016)。

・本研究から、開腹肝切除後の患者では、胸部硬膜外ブロックが bTPVB に鎮痛上のわずかながらの利点があることを示唆している。

[!];術後早期から抗凝固療法を始めたい症例や、術前から肝機能低下に伴う術後の出血傾向が危ぶまれる症例では胸部傍脊椎ブロックが良いのだろうな。

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