脊椎麻酔とデキスメデトミジン鎮静の併用時の徐脈を予防するための抗コリン剤前投薬:無作為化二重盲式偽薬
Anticholinergic premedication to prevent bradycardia in combined spinal anesthesia and dexmedetomidine sedation: a randomized, double-blind, placebo-controlled study
Journal of Clinical Anesthesia December 2016Volume 35, Pages 13?19
<要旨>
・脊椎麻酔を受ける患者にデキスメデトミジンを使用する場合、副交感神経の活性化に反応して、徐脈の発生率が高いと報告されている。そこで、著者らは、デキスメデトミジンによる鎮静を伴う脊椎麻酔を受ける患者で、徐脈の発生を予防するためのアトロピン前投薬の有効性と、血行動態に及ぼす効果を評価することを目的とした。
・手術室での無作為化二重盲式偽薬対照試験。114 人の患者(年齢範囲、2-65歳、ASA-PS I-II)が本研究に参加し、鎮静下に脊椎麻酔を受けた。患者を 2 群に分けた:A 群と C 群。脊椎麻酔を行った後、デキスメデトミジンを、10 分間、負荷用量 0.6μg/kg で注入し、その後、0.25μg//h で持続注入した。同時に A 群の患者は、デキスメデトミジンの負荷量とと共にアトロピン 0.5mg の静脈内ボーラスを投与されたのに対して、C 群の患者は、静脈内生食ボーラスを投与された。アトロピンとエフェドリンの投与に関するデータを収集した。心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧(DBP)、平均血圧(MBP)を含む循環動態データも記録した。
・アトロピンの治療を必要とする徐脈の発生率は A 群よりも、C 群の方が有意に高かった(P=0.035)。しかし、エフェドリン治療を必要とする低血圧の発生率は両群間に有意差を認めなかった(P=0.7)。収縮期血圧と心拍数は、2 群間で有意差を示さなかった(それぞれ P=0.138 と 0.464)。しかし、A 群は、DBP と MBP の有意な増加を示した(それぞれ、P=0.014 と 0.008)が、C 群では見られなかった。
・予防的アトロピンは、デキスメデトミジンによる鎮静を伴う脊椎麻酔を受ける患者で、徐脈の発生率を低下させる。ただし、予防的アトロピンを投与した場合、患者の DBP と MBPは有意な増加を示した。したがって、アトロピンの前投薬は慎重に投与すべきである。
[!]:デキスメデトミジン投与下では、アトロピン併用によって拡張期血圧と平均血圧が有意に上昇するので注意するべきであると。
Journal of Clinical Anesthesia December 2016Volume 35, Pages 13?19
<ハイライト>
・脊椎麻酔下の患者でデキスメデトミジンによる鎮静時に、アトロピン静脈内前投薬は、徐脈の発生率を減少させることができる。
・しかし、この処置は拡張期血圧と平均血圧を有意に増加させる。
・脊椎麻酔下の患者でデキスメデトミジンによる鎮静時に、アトロピン静脈内前投薬は、徐脈の発生率を減少させることができる。
・しかし、この処置は拡張期血圧と平均血圧を有意に増加させる。
<要旨>
・脊椎麻酔を受ける患者にデキスメデトミジンを使用する場合、副交感神経の活性化に反応して、徐脈の発生率が高いと報告されている。そこで、著者らは、デキスメデトミジンによる鎮静を伴う脊椎麻酔を受ける患者で、徐脈の発生を予防するためのアトロピン前投薬の有効性と、血行動態に及ぼす効果を評価することを目的とした。
・手術室での無作為化二重盲式偽薬対照試験。114 人の患者(年齢範囲、2-65歳、ASA-PS I-II)が本研究に参加し、鎮静下に脊椎麻酔を受けた。患者を 2 群に分けた:A 群と C 群。脊椎麻酔を行った後、デキスメデトミジンを、10 分間、負荷用量 0.6μg/kg で注入し、その後、0.25μg//h で持続注入した。同時に A 群の患者は、デキスメデトミジンの負荷量とと共にアトロピン 0.5mg の静脈内ボーラスを投与されたのに対して、C 群の患者は、静脈内生食ボーラスを投与された。アトロピンとエフェドリンの投与に関するデータを収集した。心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧(DBP)、平均血圧(MBP)を含む循環動態データも記録した。
・アトロピンの治療を必要とする徐脈の発生率は A 群よりも、C 群の方が有意に高かった(P=0.035)。しかし、エフェドリン治療を必要とする低血圧の発生率は両群間に有意差を認めなかった(P=0.7)。収縮期血圧と心拍数は、2 群間で有意差を示さなかった(それぞれ P=0.138 と 0.464)。しかし、A 群は、DBP と MBP の有意な増加を示した(それぞれ、P=0.014 と 0.008)が、C 群では見られなかった。
・予防的アトロピンは、デキスメデトミジンによる鎮静を伴う脊椎麻酔を受ける患者で、徐脈の発生率を低下させる。ただし、予防的アトロピンを投与した場合、患者の DBP と MBPは有意な増加を示した。したがって、アトロピンの前投薬は慎重に投与すべきである。
[!]:デキスメデトミジン投与下では、アトロピン併用によって拡張期血圧と平均血圧が有意に上昇するので注意するべきであると。
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