スガマデクス投与に伴うアナフィラキシーを少なくするために!

 ちょっと前に、当院では初めてのスガマデクス投与に伴うアナフィラキシーが発生した。

 学会報告や薬剤添付書では見聞きしているが、当院ではこれまで発生していなかった。ところが、噂では、近隣の関連病院でも、何件が発生しており、死亡例まであるという。

 スガマデクス(ブリディオン)発売以前に何十年来も使用していたワゴスチグミンについては、アナフィラキシーの原因となったという話は、一度も聞いたたことがない。

 分子量の違いも要因の一つだろうか? ワゴスチグミンの分子量, 223 に対して、スガマデクスの分子量は 2178 で、ロクロニウム(610)と結合した[スガマデクス]ー[ロクロニウム]複合体では、2788 と 10 倍以上の分子量である。

 スガマデクスによるアナフィラキシーを少なくするのためには・・・・・

(1) 「筋弛緩をしない」=「ロクロニウムを使用しない」こと
 まず第一に、本当にロクロニウムによる筋弛緩が必要かどうかを検討してみよう。そもそも、本当に気管挿管が必要な症例なのか?ラリンジアルマスクの自発呼吸下で十分に管理できる症例ではないか検討してみよう。

(2)スガマデクスを使用しないといけないのか?
 もしも、ロクロニウムによる筋弛緩を得た上での気管挿管がぜひとも必要な症例であっても、スガマデクスによる拮抗が本当に必要な症例だろうか? 従来のワゴスチグミンによる拮抗で十分ではないか検討してみよう。

 個人的には、50 歳以下の比較的若い患者で、呼吸器合併症リスクがなく、気管挿管の時にのみロクロニウムを使用して、術中追加投与はしなかった場合には、従来から使用していた「iアトロピン+ワゴスチグミン」の拮抗を行っている。

 ちなみに、ブリディオンを使用して拮抗した方が良いと考えているのは、
・2 時間以上の手術で、気管挿管時以外にも、筋弛緩薬を追加投与、持続投与して使用した場合(開胸手術、開腹手術、開頭手術)。
・年齢が 65 歳以上で、呼吸器合併症のリスクが多少なりともありそうな場合。

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Q:筋弛緩の拮抗をどう使い分けるか?

短時間手術の際にスガマデクスでリバースしなくて済むようにする方法

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