プロポフォール麻酔は吸入麻酔と比較して術後疼痛が少なくなるのか?:系統的レビューとメタ分析

Does Propofol Anesthesia Lead to Less Postoperative Pain Compared With Inhalational Anesthesia?: A Systematic Review and Meta-analysis.
Anesth Analg. 2016 Oct;123(4):846-58. doi: 10.1213/ANE.0000000000001504.

・多くの研究で吸入麻酔とプロポフォールベースの麻酔が比較された。いくつかの研究の結果は、プロポフォール麻酔後に術後鎮痛が改善されたことを示したが、他の研究は矛盾する結果を示した。プロポフォール vs 吸入麻酔で後術後疼痛を比較した大規模な前向き研究はない。本メタ分析は、この質問に焦点を当てるように計画された。

・手術を受ける成人で、プロポフォールベースの麻酔と揮発性麻酔薬ベースの麻酔をとを比較した無作為化比較試験を系統的に文献検索した。公開データを、レビューマネージャ(すなわち、RevMan)によるメタ分析のためにプールした。主要評価項目は、術後の疼痛強度、オピオイド消費量、レスキュー鎮痛剤の必要性、初回鎮痛までの時間が含まれた。

・総患者数 4520 人の被験者集団を含む 39 件の臨床試験がこのメタ分析の対象となった。調査された揮発薬には、イソフルラン、セボフルラン、デスフルランが含まれた。吸入麻酔薬と比較して、プロポフォールの使用は 30 分、1 時間、12 時間後の安静時の術後疼痛の減少(疼痛スコアの平均差、0.48、30分、-0.48[視覚的アナログ尺度、0-10]、99% 信頼区間[CI]、-1.07~0.12、P=0.04)、術後 0~24 時間のモルヒネ等価物の消費量減少(モルヒネ等価物消費量の平均差 -2.68 mg、99%CI、-6.17 ~0.82、P=0.05)と関連していた。プロポフォール麻酔下で手術を受けた患者の方が、0~24 時間に術後レスキュー鎮痛剤を必要とした患者が少なかった(リスク比、0.87、99%信頼区間、0.74~1.03、P=0.04)。また、プロポフォール麻酔患者の方が、揮発薬麻酔患者に比べて、術後鎮痛薬投与が必要となるのが遅かった(初回鎮痛剤投与までの時間の平均差 6.12分、99%CI、0.02~12.21、P=0.01)。RevMan 5.3 の Z 統計量は、群間で異質性が高度なサンプルか、あるいはサンプルサイズの小さな群の多くの組み合わせで、適切に実施されていないことを考慮すると、P 値<0.01 が統計的に有意であると考えられた。この閾値に基づけば、上記結果のいずれも統計的に有意とはいえない。

・今回の結果は、相当な異質性によって影響されており、プロポフォール麻酔と吸入麻酔との間で、術後疼痛コントロールにおいて有意差を予測すそことは困難である。これらの結果を確認し、プロポフォールと吸入麻酔との間に(もしあるとすれば)術後疼痛に及ぼす差を検出するためにはさらに大規模な無作為化対照試験が必要である。

[!]:結局、メタ分析しても今のところは差があるというエビデンスはなかったということかな。

<関連記事>

1、プロポフォールまたはセボフルラン麻酔後のオピオイド使用:無作為化試験
2、プロポフォール vs セボフルランが術後痛とオピオイド必要量に及ぼす効果
3.プロポフォール vs セボフルラン麻酔後の小児の術後鎮痛

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック