肺切除手術後の心房細動の潜在的に修正可能な危険因子:後ろ向きコホート研究

Potentially modifiable risk factors for atrial fibrillation following lung resection surgery: a retrospective cohort study.
Anaesthesia. 2016 Sep 26. doi: 10.1111/anae.13644. [Epub ahead of print]

・心房細動は胸部術後に最も頻繁に発生する不整脈であり、病院費用、罹患率、死亡率の増加と関連している。本研究で、著者らは、肺切除手術後の術後心房細動の潜在的に変更可能な危険因子を同定し、リスクを低減する可能性がある対策を提案することを目的とした。

・著者らは、6 年間にわたって後ろ向き的に 肺葉切除以上の大きな肺切除術を受けた 4731 人の患者の診療録を検討した。術後心房細動を発症し、治療を必要とした患者は、術後心房細動群に含まれたのに対して、残りの患者は、非術後心房細動群に割り当てられた。術後心房細動の危険因子は、多変量解析と傾向スコアマッチングにより分析した。

・全体で、患者の 12% に術後心房細動が発症した。術後心房細動の潜在的に変更可能な危険因子は、アルコール過量摂取(オッズ比(OR)=1.48、95%CI 1.08~2.02、P=0.0140)、赤血球輸血(2.70(2.13~3.43)、p<0.0001)、強心剤の使用(1.81(1.42~2.31)、P<0.0001)、開胸手術(vs 胸腔鏡)(1.59(1.23~2.05)、P<0.0001)。強心薬の使用に比較して、昇圧剤の投与は術後心房細動に関連していなかった。ステロイドや胸部硬膜外麻酔の使用は術後心房細動の発生率を減少させなかった。
・著者らは、アルコール過剰摂取、赤血球輸血、強心剤の使用、開腹手術は、術後心房細動の修正可能な危険因子であると結論付けている。術前のアルコール摂取には対策を立てる必要がある。赤血球輸血を回避し、ビデオ補助下胸腔鏡手術による肺切除を行うことが、術後心房細動の発生率を低下させることができ、強心剤よりは昇圧剤の投与が好ましい。

[!]:肺外科手術では、術前の禁酒、輸血回避、強心剤を使用しない、胸腔鏡アプローチにすることで、術後心房細動の発症頻度を低減できる。

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