心臓手術中の経脳炎症反応に及ぼす静脈内リドカインの効果:無作為化対照試験

Effect of intravenous lidocaine on the transcerebral inflammatory response during cardiac surgery: a randomized-controlled trial.
Can J Anaesth. 2016 Nov;63(11):1223-32. doi: 10.1007/s12630-016-0704-0. Epub 2016 Jul 28.

・心臓術後には、術後認知機能障害(POCD)が頻繁に発生する。POCD の病態生理は依然理解しがたいが、これまでの研究では、リドカイン静脈内投与は、おそらく脳の炎症を調節することにより、POCD に対して保護的に作用する可能性があることを示した。著者らは、静脈内リドカインは、血小板、白血球、血小板-白血球結合体の経脳活性化較差を低減することにより、人工心肺(CPB)に対する脳の炎症反応を減弱させるという仮説を立てた。

・著者らは、本前向き無作為化二重盲式偽薬対照試験で、CPB を伴う心臓手術を受けた 202 人の患者を調査した。被験者は、静脈内リドカイン(ボーラス+ 48 時間の持続注入)か、またはプラセボ(同量、同期間の注)のいずれかに無作為に割り付けた。いくつかの時点で頚静脈と橈骨動脈血の対検体を採取し、蛍光活性化細胞選別によって分析して、活性化血小板と血小板-白血球複合体を同定した。経頭蓋活性化較差は、静脈の値から動脈の値を差し引くことにより計算し、年齢、性別、手術の種類、手術時間で共変量調整した反復測定回帰モデルを使用して群間で比較した。

・大動脈クロスクランプ解除後に始まり、CPB の終了後 10 分を頂点として、血小板単球結合体の経脳活性化較差の平均(SD)は、プラセボ治療を受けた患者よりも、リドカインを投与された患者で減少した[-1.84(11.47)平均線形蛍光強度(MLFI) vs 1.46(13.88)MLFI、平均差 -4.08 MLFI、95%信頼区間、-7.86~ -0.29、P=0.03]。いずれの時点でも、活性化血小板や血小板-好中球結合体には差は見られなかった。

・リドカインは、血小板や白血球の全身性、あるいは経脳活性化に影響を及ぼさなかったが、著者らは大動脈のクロスクランプ解除後の血小板単球結合体の経脳活性化の減少を観察した。これはリドカインを用いた治療に反応しての、人工心肺中のに脳の炎症を低減したことの現れである可能性がある。

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