麻酔法と癒着胎盤形成のために帝王切開を受けた患者の臨床転帰:連続 50 症例の後ろ向きコホート研究

Mode of anesthesia and clinical outcomes of patients undergoing Cesarean delivery for invasive placentation: a retrospective cohort study of 50 consecutive cases.
Can J Anaesth. 2016 Nov;63(11):1233-44. doi: 10.1007/s12630-016-0695-x. Epub 2016 Jul 21.

・癒着胎盤は、分娩後出血と帝王切開子宮摘出(CHyst)の最も重要な原因の一つである。これらの患者管理における最適な麻酔のモードは依然不明である。本研究の目的は、帝王切開を受けた癒着胎盤(CD)を有する女性で、母体と新生児の転帰に及ぼす麻酔法の影響を検討することであった。

・後ろ向きコホート研究は、2000 年から 2012 年までに当院で分娩をした癒着胎盤を有する女性で行われた。患者のカルテや電子カルテから、産科的、麻酔科的処置、出血量、蘇生液の使用量、新生児と母体の合併症などの関連データを検索した。CD に際しての初期に計画された麻酔法(すなわち、全身か区域か)に基づいて、母体出血量、輸血量、呼吸器合併症、新生児アプガースコアについて群間で比較が行われた。

・確定癒着胎盤を有する女性 50 人のうち、25 人(50%)が、待機的 CD を、残りの 25 人(50%)が予定外の CD 受けた。 36 人(72%)が CHyst を必要とした。34 人(68%)の患者では手術は区域麻酔(RA)下で開始され、16 人(32%)の患者では手術は全身麻酔(GA)下で開始された。RA vs GA を受けた女性で、平均(SD)出血量 [それぞれ、3206(3777)mL vs 1906(1096)mL、平均差 1300mL、95% 信頼区間(CI)、-739~3339mL、P=0.20]や輸血量の中央値[IQR](それぞれ、4[0-6]単位 vs 2[0-4]単位、中央値の差、2 単位; 95%CI、0~4単位、P=0.16)に差はなかった。分娩前に全身麻酔を受けた女性患者に比較して、分娩前に RA だけを受けた女性患者の新生児の方が、1 分(それぞれ、8[8-9] vs 3[0-5]、中央値の差 5; 95%CI、3~8、P<0.001)と 5 分(それぞれ、9[9-9] vs 7[0-9]、中央値の差 2、95%CI、1~9、P<0.001)の両方で有意に高いアプガースコアの中央値[IQR]が見られた。術後呼吸器合併症は RA 群(0%)よりも GA 群(6%)の方が多かった。

・今回の CHyst 症例の 2/3 は、RA 下で安全実施されたことから、著者らの研究は、GA と比較した場合、RA は出血量や輸血量には差はなく、新生児の転帰が優れており、呼吸器気合併症がほとんどないことと関連していることを示唆する。これは、こういった症例では、RA を主たる麻酔法と考えてよいことを示唆している。

[!]:癒着胎盤症例では、区域麻酔法の方がいいんじゃないかと。

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