重症疾患患者におけるアセトアミノフェン誘発性の全身血圧変化:多施設コホート研究の結果

Acetaminophen-Induced Changes in Systemic Blood Pressure in Critically Ill Patients: Results of a Multicenter Cohort Study.
Crit Care Med. 2016 Dec;44(12):2192-2198.

アセトアミノフェン4.png・著者らはアセトアミノフェン誘発性低血圧の発生率を評価しようとした。著者らの第 2 の目的は、全身性血行動態変化とこの合併症に関連する因子を明らかすることであった。

・IV アセトアミノフェン注入が必要な成人患者を対象とした 3 つの ICU における前向き観察研究である。動脈ライン経由で、動脈圧を 3 時間モニターした。低血圧は、平均動脈圧がベースラインと比較して 15% 以上低下した場合と定義した。

・全体で、160 人の患者が本研究に含まれた。今回の定義によれば、83 名の患者(51.9%)で、アセトアミノフェン誘発性低血圧をきたした。アセトアミノフェン誘発性低血圧患者では、最低平均動脈圧は 64 mmHg(95%CI、54-74)であった。低血圧は、アセトアミノフェン注入後、30 分間(95%CI、15-71)観察された。平均動脈圧の変化は、拡張期血圧の低下(r=0.92)、程度は少ないが脈圧変化(r=0.18)と心拍数の変化(r=0.09)と密接に相関していた。体温の変化は平均動脈圧の変化と相関しなかった(r=0.0002、p=0.85)。患者のベースライン特性(ショック、アンジオテンシン変換酵素阻害剤/アンギオテンシン II 受容体拮抗剤の使用、乳酸、腎置換療法、慢性心疾患、アセトアミノフェン注入の適応症)や臨床的に関連する特性(ロジスティック臓器不全スコアに従ったベースライン重症度、降圧剤の使用、人工呼吸の必要性、体温の変化)は、アセトアミノフェン誘発性低血圧と独立して関連していた。アセトアミノフェン誘発性低血圧患者のうち、29 人(34.9%)が治療的介入を必要とした。

・アセトアミノフェンの IV 注入を受けた患者の半数が低血圧を発症し、観察されたエピソードの 3 分の 1 までが治療的介入を必要とした。今回の知見を確認し、アセトアミノフェン誘発性低血圧の成り行きの正確な推定を提供し、関与する病態生理学的メカニズムを評価するためには、適切に証明能力のある無作為試験が必要である。

[!]:術中投与ではあまり循環動態の変化は感じられないが、重症患者ではやはり高率に低血圧をきたすんだな。

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この記事へのコメント

未熟医
2016年12月06日 22:21
疼痛ストレスが緩和されることで血圧が低下する、ということでしょうか?

術中は既にストレスが緩和されているため循環動態が変化しない、と。
SRHAD-KNIGHT
2016年12月07日 07:35
未熟医様、コメントありがとうございます。
>疼痛ストレスが緩和されることで血圧が低下する、ということでしょうか?
必ずしも「疼痛」とは限らないでしょうが(アセトアミノフェン自体の作用機序があまりはっきりとは分かっていないので)、何かしらのストレスに曝されて、緊張状態にある生体をそういったストレスのない元の状態に近づける方向に作用するのでしょうね。
>術中は既にストレスが緩和されているため循環動態が変化しない、と。
そうですね。上手な麻酔が行われていればいるほど、そうなのでしょうね。

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