予防的フェニレフリン注入を用いた脊椎麻酔下における帝王切開時の低血圧予防のためのコロイド最小有効量

<ハイライト>
・脊椎麻酔前の膠質液のボーラス投与は、一回拍出量と心拍出量を最適化する可能性がある。
・脊椎麻酔後の母体の心拍出量は心拍数と関連している。
・脊椎麻酔とフェニレフリン注入は、母体の一回拍出量を減少させない。
・輸液負荷レジメンを比較するのに、上下逐次配割り当て法が使用できる可能性がある。

<要旨>
・本研究の目的は、帝王切開を受ける妊婦の 50% で低血圧を予防するであろう予め負荷注入したヒドロキシエチルデンプン 130/0.4(HES)の最小有効用量(MEFV)を決定することであった。第 2 の目的は、輸液負荷が被験者に及ぼす血行動態効果を測定することであった。

・これは、上下逐次割り当て法を用いた、手術室での前向き二重盲式用量決定研究である。予防的フェニレフリン注入を用いた脊椎麻酔下に帝王切開を受けた 30 人の健常分娩患者を本試験に含めた。最初の患者に注入された初期 HES 容量は 500mL であった。HESの前負荷に対する治療失敗は、一度でも収縮期低血圧がベースライン値の 20% 未満となることと定義された。一連の次の患者には、輸液の前負荷に対する前回被験者の反応にしたがって、100mL 増やすか減らすかのいずれかによって調整された量の HES が投与された。一回拍出量と心拍出量を、バイオリアクタンスに基づく非侵襲的心拍出量モニタ(NICOM)を用いて測定した。

・HESの MEFV は 733mL(95%CI:388-917mL)であった。脊椎麻酔実施前の輸液負荷は、一回拍出量と心拍出量の増加をもたらした。脊椎麻酔とフェニレフリン注入の併用効果は、母体の心拍数と心拍出量を減少させたが、一回拍出量は減少させなかった。

・本研究は、この集団におけるいろいろな量の輸液負荷を初めて調査した研究である。およそ 700mL の HES を予め負荷すれば、本研究の条件下では、母体低血圧を 50% の妊婦において予防した。このような状況での上下逐次割り当て法は、いろいろな輸液負荷量を比較するのに有用なツールであるのではないだろうか。

[!]:700mL の HES を前負荷するのには結構時間がかかるだろうな。個人的には(経験的に)、脊麻直後に、エフェドリン 12mg を混じた抗生剤を 10 ~15 分で投与すると、ちょうど脊麻による低血圧を相殺できる。

【出典】
Minimum effective fluid volume of colloid to prevent hypotension during caesarean section under spinal anesthesia using a prophylactic phenylephrine infusion: An up-down sequential allocation study
Journal of Clinical Anesthesia February 2017Volume 36, Pages 194?200

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