帝王切開に際しての全身麻酔中の肺加圧操作と PEEP の安全性と有効性:前向き無作為試験

<ハイライト>
・著者らは、妊婦に保護的肺換気(ARM、PEEP)を施行した。
・この換気戦略は、これまでに妊婦では検証されていない。
・保護的換気戦略は、動的肺コンプライアンスを改善した。
・術中術後の酸素供給は、ARM と PEEPによって改善された。

<要旨>
・帝王切開中、仰臥位は機能的残気量を低下させ、肺コンプライアンスを悪化させる。著者らは、帝王切開に際して全身麻酔を受ける女性で、肺動加圧操舵と呼気終末陽圧が肺コンプライアンスを改善するという仮説を検証した。

・帝王切開を受ける 90 人の女性を、前向き二重盲式試験で 2 群のうちの 1 群に無作為に割り付けた。肺加圧操作群では、従圧式換気が用いられ、吸気時間を 50% に増加した。呼気終末陽圧は 20cmH2O に上げ、最高気道吸気圧を 45-50cmH2O へと徐々に上昇させた。次いで、1 回換気量(6mL/kg)で従量換気を行い、呼気終末陽圧を段階的に8cmH2O に減少させた。対照群では、肺加圧操作は使用されなかった。データは、肺加圧操作の前、3、10 分後、20 分後、抜管前、術後 10、20 分後に収集した。

・動肺コンプライアンス、最高気道吸気圧、PaO2、PaO2/FiO2は、ベースラインを除いて、術中全時点において対照と比較して、肺加圧操作群の方が有意に異なっていた。酸素飽和度は、10 分、20 分、抜管前で、肺加圧操作群の方が有意に高かった。動肺コンプライアンスは、肺加圧総祖群の方が対照群に比べて、 29.7~42.5% 高く、最高気道吸気圧は 3.6~10.2% 低かった。 PaO2、PaO2/FiO2、酸素飽和度は、肺加圧操作群の方が高かった(それぞれ 9.4-12%、10.3-11.9%、0.4-1.3%)。術後、PaO2 と酸素飽和度は、対照群と比較して肺加圧操舵群の方が有意に高かった(PaO2は 10 分で 9.2%、20 分で 8.4%、酸素飽和度は 10分 で 0.8%、20 分で 1.1%)。循環動態安定性や有害事象については群間に有意差はなかった。

・標準的ケアと比較して、呼気終末陽圧と低 1 回換気量を伴う肺加圧操作は、待機的帝王切開に際して全身麻酔を受ける女性で、肺コンプライアンスおよび術中術後の酸素化を改善する上で安全で効果的である。

[!]:確かに帝王切開を受ける妊婦は、仰臥位で相当な重量の胎児・子宮を含む腹部臓器で胸郭が圧迫されるので、全身麻酔の場合は、肺加圧操作のよい適応であろう。

【出典】
Safety and effectiveness of alveolar recruitment maneuvers and positive end-expiratory pressure during general anesthesia for cesarean section: a prospective, randomized trial
International Journal of Obstetric Anesthesia Published online: December 22, 2016

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