外来歯科手術を受ける発達遅延のある小児とない小児における周術期オピオイド投与

<ハイライト>
・発達遅滞(DD)有り/無しの小児の周術期経過の分析
・DD を有する小児は、術後の興奮や悪心嘔吐を増加させなかった。
・DD の小児は全体では、術中と術後のオピオイド投与が少なくなる。
・著者らの経験では、DD 小児のオピオイド投与に一定のパターンは確認されない。
・DD のない小児では周術期オピオイド投与に一定のパターンが確認される。

<要旨>
・先行研究は、発達遅延(DD)を有する小児では医療における質的・量的な差が生じることを示している(Boulet et al.、2009)。周術期では、DD 患者は、通常発達患者(TDP)よりも興奮や嘔気/嘔吐を含む術後合併症をきたす可能性が高いとの懸念がある。周術期オピオイドの用法と用量の差がこれに寄与する可能性があるが、経験的調査は不十分である。本研究の目的は、TDP と比較して DD を有する小児で術後悪心嘔吐と興奮の経験を比較すること、ならびに周術期オピオイド投与を、調査することであった。

・手術室、麻酔回復室での回顧的なオリジナルの研究で、全身麻酔下で抜去/修復を伴う外来歯科手術を受けた患者 1145人(年齢 1~20.9 歳、ASA I-III、DD 歴のある患者 23.9%)を対象とした。5 年間にわたって DD と TDP の両方の診療記録からデータを取得し分析した。データには、興奮、悪心/嘔吐の経験、周術期の薬物投与が含まれた。

・術後の興奮と嘔気/嘔吐は、DD 群と TDP 群で大きな差はなかった。 DD を有する小児は、術中と術後の両方でオピオイドを投与される可能性が有意に低かった(χ2=10.02、p=0.001 と χ2=8.08、p=0.003)。さらに、TDP では、術中の高用量オピオイドは、術後のオピオイド投与量減少を予測した。しかし、DD 群では、術中オピオイド投与量と術後オピオイド投与量との間には有意な関連性は認められなかった。

・DD を有する小児は、嘔気/嘔吐と興奮を含む術後合併症の発生頻度は TDP と同様である。DD 小児の方が、TDP よりも術中も術後もオピオイドを投与される可能性が低かった。重要なことに、術中オピオイドの投与量は、TDP 群における術後オピオイドの投与を予測するものであったが、DD 群ではそうではなかった。臨床的意義について議論されている。

[!]:発達遅延があるということはやはり侵害受容器の発達にも遅延があるのだろうか。だとすれば、少ないオピオイドで済むというのは理に叶っている?

【出典】
Perioperative opioid administration in children with and without developmental delay undergoing outpatient dental surgery
Journal of Clinical Anesthesia February 2017Volume 37, Pages 92?96

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