消化管手術後合併症に及ぼす周術期非ステロイド性抗炎症薬の影響:メタアナリシス

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、マルチモーダル術後鎮痛の重要な部分である。本研究では、メタアナリシスを用いて消化管手術後合併症に及ぼす周術期 NSAID の影響を評価することを目的とした。

・データベースの創始以来 2015 年 6 月まで、PubMed、CBM、Springer、Chinese Academic Journals、China Info を含むコンピュータ化されたデータベースを検索して、出版された文献の系統的レビューを実施した。消化管手術後合併症に関する記事と後ろ向き文献を収集して、NSAID または他の鎮痛剤に関連する合併症を比較した。それらを無作為化比較試験によって評価し、Jadad 系統的レビューの標準法によって抽出した後、均質な研究を RevMan 5.3 ソフトウェアを用いてプールした。メタアナリシスは、5 種類の術後合併症について実施した:術後吻合部リーク、循環器事象、手術部位感染、嘔気嘔吐、腸閉塞。

・3829 人の患者を対象とした 12 件の無作為化比較試験が、包含基準を満たした。メタ分析の結果は以下を示した:(1)術後吻合部リーク:NSAID(選択的および非選択的NSAID を含む)は吻合部リークの発生率を増加させた(オッズ比(OR)= 3.02、95%信頼区間(CI):2.16- 4.23、p=0.00001]。さらなる結果は、非選択的 NSAID は吻合部リークの発生率を有意に増加させ(OR=2.96、95%CI:1.99-4.42、p<0.00001)、選択的 NSAID は他の鎮痛剤を使用した対照群と比較して有意差がなかった(OR=2.27、95%CI:0.68-7.56、p=0.18)。(2)術後心血管イベント:他の鎮痛剤と比較して NSAID(選択的および非選択的 NSAID)は差がなかった(OR=0.50、95%CI:0.23-1.12、p=0.09)。(3)術後手術部位感染:NSAID(選択的および非選択的 NSAID)と他の鎮痛剤は、手術部位感染に差がなかった(OR=0.77、95%CI:0.52-1.15、p=0.20)。(4)術後悪心嘔吐:NSAID(選択的および非選択的 NSAID)は悪心嘔吐の発生率を減少させた(OR=0.53、95%CI:0.34-0.81、p=0.003)。(5)術後腸閉塞:NSAID(選択的および非選択的 NSAID)は、腸閉塞の発生率を減少させた(OR=0.35、95%CI:0.13-0.89、p=0.03)。

・メタアナリシスでは、術後 NSAID、特に非選択的 NSAID は吻合部リークの発生率を増加させる可能性があることが示唆される。NSAID はほかの鎮痛薬に比べて、術後悪心嘔吐、腸閉塞を減少させることができたが、心血管イベントや手術部位感染には差は見られなかった。

[!]:非選択的 NSAID は、吻合部リークを増加させるが、腸閉塞や悪心嘔吐は少ないと。吻合部リークは、消化管血流を低下させるためか。オピオイドは、腸蠕動を抑制し、悪心嘔吐をきたしやすいので、それに比較すると、NSAID の方が腸閉塞、悪心嘔吐が少ないのだろう。

【出典】
Influence of perioperative nonsteroidal anti-inflammatory drugs on complications after gastrointestinal surgery: A meta-analysis.
Acta Anaesthesiol Taiwan. 2017 Jan 12. pii: S1875-4597(16)30069-8. doi: 10.1016/j.aat.2016.11.002. [Epub ahead of print]

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック