母体肥満と帝王切開分娩中の主要な術中合併症

・複数の研究が母体肥満と術後合併症との関連性を実証してきたが、肥満が術中合併症に及ぼす影響についての情報は不足している。研究の目的は、分娩時母体肥満と帝王切開分娩(CD)中の主要な術中合併症との関連性を評価することであった。

・これは、単胎妊娠女性の匿名 MFMU 帝王切開登録簿の二次分析である。出産時の母体肥満指数(BMI)は、BMI 18.5-29.9kg/m2、BMI 30-39.9kg/m2、BMI 40-49.9kg/m2、BMI≧50kg/m2 に分類された。主要評価項目は、術中合併症で、周術期輸血、術中損傷(腸、膀胱、、尿管損傷、広範囲の靭帯血腫)、外科的介入を要する無収縮、再開腹、子宮摘出術を含む少なくとも 1 つの主要な術中合併症があるものと定義された。対数二項モデルを用いて、2 種類のモデルで、術中合併症のリスク比(RR)を推定した:モデル 1 は母体の人種と早産(PTD)<37週で調整し、モデル 2 ではモデル 1 の交絡因子、ならびに緊急 CD、皮膚切開の型で調整した。

・51218 人の女性が CD を受けた。38% は BMI 18.5-29.9kg/m2、47% が BMI 30-39.9kg/m2、12% が BMI 40-49.9kg/m2、3% が BMI≧50kg/m2 であった。1 つ以上の術中合併症を有するのは珍しく(3.4%)、BMI 18.5-29.9kg/m2 で 3.8%、BMI 30-39.9kg/m2 で 3.2%、BMI 40-49.9kg/m2 で 2.6%、BMI≧50kg で 4.3% であった(p<0.001)。十分に調整されたモデル 2 では、BMI が 40~49.9kg/m2 の女性は、BMI 18.5-29.9kg/m2 の女性と比較して、術中合併症のリスクが低かった(調整リスク比(aRR)0.76、95%信頼区間 0.64~0.89)。BMIが 30-39.9kg/m2 の女性でも非肥満女性と比較して、術中合併症の同様のリスクであった(aRR 0.93、95%CI 0.84-1.03)。は、非肥満女性と比較して術中合併症のリスクが同様であった。超肥満女性では、緊急 CD による効果修正のエビデンスがあった。しかし、非肥満女性と比較して、非緊急 CD を受ける超肥満女性(aOR 1.13、95%CI 0.84-1.52)も、緊急帝王切開を受ける超肥満女性(aRR 0.59、95%CI 0.32-1.10)も術中合併症のリスク増加はなかった。

・帝王切開後の合併症の危険性とは対照的に、肥満女性では、術中合併症のリスクは、超肥満者でさえも増加しないようである。

[!]:肥満妊婦であっても術中合併症のリスクは増加しないと。あくまで手術合併症についてなので、麻酔科医としては油断できないな。


【出典】
Maternal obesity and major intraoperative complications during cesarean delivery.
Am J Obstet Gynecol. 2017 Feb 13. pii: S0002-9378(17)30251-X. doi: 10.1016/j.ajog.2017.02.011. [Epub ahead of print]

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