術中低血圧と生体肝移植後の急性腎障害との関係:後ろ向き分析

・急性腎障害(AKI)は肝移植(LT)後によく見られ、転帰に有意な影響を及ぼす。LT 後 AKI のいくつかの危険因子が確認されているが、LT 後 AKI に及ぼす術中循環動態の影響は依然として不明のままである。そこで、著者らは、LT 中の血行動態パラメータと術後 AKI との関係を調査することを目的とした。

・生体肝移植を受けた患者(n=231)を対象とした大学病院での後ろ向き観察研究である。重度の AKI(最近のガイドラインによるステージ 2-3)が主要評価項目であった。交絡変数を調整しつつ多変量ロジスティック回帰分析を用いて、術中血行動態パラメータ(平均動脈圧[MAP]と心係数)と重度 AKI との間の独立した関係を得た。

・重度 AKI の有病率は 30.7% であった。術中の最低 MAPは、重度 AKI を独立して予測した(調整オッズ比、10mmHg 減少あたり 2.11[95%信頼区間、1.32-3.47]、p=0.002)。種々の患者や手術変数、広範な感度分析に基づくサブ群分析は、実質的に同様の結果を示した。重症の低血圧(MAP<40 mmHg)は、10 分未満でさえ、重度 AKI と有意に関連していた(調節オッズ比、3.80[95%信頼区間、1.17-12.30]、p=0.026)。対照的に、最低心係数は重度 AKI と有意な関連性はなかった。

・著者らは、生体肝移植のレシピエントにおいて、術中低血圧の程度と重度 AKI のリスクとの間に独立した関係を見出した。重症低血圧は、短期間であっても、重度 AKI と有意に関連していた。

[!]:生体肝移植後の急性腎障害の要因の1つは術中低血圧であると。

【出典】
Relationship Between Intraoperative Hypotension and Acute Kidney Injury After Living Donor Liver Transplantation: A Retrospective Analysis.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2016 Dec 2. pii: S1053-0770(16)30654-1. doi: 10.1053/j.jvca.2016.12.002. [Epub ahead of print]

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