小児特発性脊柱側弯症手術後の短期的・長期転帰は、長期低用量ケタミンでは改善しない

ケタミン3.png・脊椎後方固定後の組織損傷と高オピオイド必要量は中枢感作を生じ、これはひいては痛覚過敏と慢性痛に関連し得る。麻酔に至らない低用量ケタミンを用いたこの種の術式に関連した臨床試験では、疼痛とモルヒネ必要両について相反する結果が出ている。術後回復、機械的痛覚過敏、慢性疼痛の発症に及ぼす長時間麻酔下ケタミン用量の効果は不明である。

・無作為化二重盲式プラセボ対照研究で、経過追跡は 6 ヶ月。本研究の目的は、この手術術式で、麻酔に至らない低用量ケタミンの 72 時間投与が、術後モルヒネ使用を減少させるという仮説を検証し、副作用が少ないか、術後回復が迅速か、切開周囲の痛覚過敏が少ないか、術後持続性疼痛が少ないかを評価することであった。特発性脊柱側弯症と診断された年齢 10~18 歳の小児患者 48 名を無作為化して、周術期低用量ケタミンまたはプラセボを 72 時間投与した。彼らは全身麻酔、術中レミフェンタニル、術後モルヒネを投与された(患者管理鎮痛)。著者らは、モルヒネ使用量、安静時と体動時(咳嗽)の疼痛、望ましくない作用、モルヒネ治療中の鎮静度を測定した。経口摂取、歩行の開始と入院期間が記録された。切開周囲痛覚過敏の程度を 72 時間に測定し、術後に疼痛管理を行った。

・44 例の患者で、主要評価項目の結果(入院中の総累積モルヒネ消費量)が得られた。結果はプラセボ群で 2.72(SD 1.13)、試験群で 3.13(SD 1.13)であり有意差はなかった(P=0.2903)。さらに、分析された副次評価項目において、実験群とプラセボ群と中に相違は見られなかった。

・本研究の結果は、特発性脊柱側弯症児の後方固定手術において、長時間麻酔に至らない低用量ケタミン投与とオピオイドのルーチンの併用を支持しない。

【出典】
Prolonged Perioperative Low-Dose Ketamine Does Not Improve Short and Long-term Outcomes After Pediatric Idiopathic Scoliosis Surgery.
Spine (Phila Pa 1976). 2017 Mar;42(5):E304-E312. doi: 10.1097/BRS.0000000000001772.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック