麻酔科を選んだ理由 その1

1.「理系の人間?」
元来、自分は理屈好きなんだろうなと思う。かなり理系の人間なんだろう。小説はまず読まない。文芸的なことにはあまり興味がない。

小学校・中学校の頃は理科と英語が好きだった。高校生の頃は、化学は今一つだが物理や生物学は好きだった。

理系なのに、英語が好きだったのは、英文は、英単語の意味を辞書で拾って、英文法という規則に従って順序良く英文を紐解いて行くと、文章の意味が理解できるからだったのだろう。

医学生になってからは、生理学が好きだった。「物理学」が、物質の動きを理屈で解き明かす学問だとしたら、「生理学」は、生物の体内挙動を理屈で解き明かす学問だ。

麻酔学は、一面「臨床生理学」ともかなり近縁関係にあると思っている。

麻酔の臨床で使用するのは、鎮痛剤、鎮静剤、筋弛緩剤といった主に神経系に作用する薬物群と、生命維持に必要な呼吸循環に作用する薬物群、それにこれらの挙動を補助したり、モニターするための機器である。

これら薬物の作用や、人体と機器との相互作用を理解するためには、生理学の知識が不可欠だ。つまり、生理学への十分な理解なくしては、麻酔は理解できないだろう。麻酔科は、自分が好きだった生理学がもっとも臨床で活かせる分野だと思った。

2.「せっかち?」
おそらく、私は「気が短い」。といってもすぐに喧嘩したり怒ったりするわけではないので、いわゆる「せっかち」なんだと思う。

内科的に経口投与した薬物の効果が出るには、しばらく時間がかかる。漢方薬ともなれば、さらに時間がかかるのではないだろうか。それに比べると、麻酔で使用する薬物のほとんどは経静脈的に投与するため、その効果は数分以内に発現する。

特に、最もダイナミックなのは全身麻酔の導入である。先程まで普通にしゃべっていた患者が、麻酔導入を開始して数分後には、全く意識がなく、自分では呼吸さえできない麻酔状態に陥ってしまう。

自分が使用した薬物の効果が目前ですぐに発現するというのは、「せっかち」な性格の自分には、かなり合っている仕事だと思っている。

また、通常の他の診療科では、患者との付き合いは、外来での検査や投薬に始まって、その後、入院、検査、処置、時には手術を経て、退院、その後の経過追跡といった長い付き合いになる。

それに対して、麻酔科の手術室での麻酔診療は、ほとんどの患者さんが新患で、術後診察まで含めても通常は数日以内に終了する。この「短期決戦型」の診療もかなり性に合っている。

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  • 麻酔科を選んだ理由 その3

    Excerpt: 「機械が好き!?」 医学部に入る前の予備校生時代に嵌ったのは「インベーダー・ゲーム」だった。同じ下宿屋に住む予備校生と勉強の合間に喫茶店に行っては、何度も何度も高得点を目指して競い合ったものだ。 Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2017-03-16 13:00