心臓手術中の合成コロイド使用後の術後急性腎障害と血液製剤輸注

・本研究では、2 種類のヒドロキシエチルデンプン(HES)が心臓手術患者の腎機能と輸血に及ぼす影響を評価した。

・三次医療単施設の患者を対象とした後ろ向き調査で、大動脈遮断を伴う人工心肺を含む冠動脈バイパス移植術(CABG)と弁手術が含まれた。術中に HES と血液製剤が投与された。

・研究は、包含基準を満たした 1265 人の患者を含んだ。これらの患者のうち、70% が HES を投与され、そのうち47% が<1,000mL、53% が 1,000mL 以上を投与された。両群間の急性腎障害の発症に差はなかった。コロイドについての節約傾向モデルは、CABG 単独と比較して、CABG と弁の複合手術の方が HES 投与と関連する可能性が低いことを示した(OR 0.68、信頼区間[CI]0.46-0.97; p=0.04)。大動脈内バルーンポンプの使用は、HES 投与と関連する可能性が低かった(OR 0.57、CI 0.38-0.86; p=0.007)。慢性腎疾患のステージ 3~5 は、HES を投与される可能性が低く、それぞれのステージで、OR は 0.56(CI 0.38~0.84; p=0.004)、0.51(CI 0.20-1.33; p=0.170)、0.23(CI 0.12-0.44; p<0.0001)であった。赤血球輸血で差は認められなかった。しかし、新鮮凍結血漿、寒冷沈降物、血小板輸血は、大量の HES を使用した方が有意に多く、それぞれ OR は 2.03(CI 1.64-2.52; p<0.001)、1.60(CI 1.30-1.97; p<0.000)、1.62(CI 1.21-2.15; p=0.006)であった。コロイド群と非コロイド群間で手術死亡率に差は見られなかった。

・本研究では、コロイド群と非コロイド群間で、術後急性腎障害と赤血球輸血の関連性は認められなかった。HES 投与では合併症率は高かったが、2 群間で手術死亡率に差はなかった。

[!]:HES を投与すればするほど、凝固障害を助長するので、必然的に FFP、クリオ、血小板輸血が多くなるのだろう。心臓手術では、HES は、これらの血液製剤が間に合わない時にだけ使用した方がよいだろう。

【出典】
Postoperative Acute Kidney Injury and Blood Product Transfusion After Synthetic Colloid Use During Cardiac Surgery.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2016 Dec 28. pii: S1053-0770(16)30750-9. doi: 10.1053/j.jvca.2016.12.024. [Epub ahead of print]

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