単独冠動脈バイパス手術におけるアプロチニン vs トラネキサム酸:多施設観察研究

・アプロチニンは、輸血リスクの高い心臓手術患者の出血および血液製剤の輸血を減らすために、リジン類似体よりも有効であるようである。しかし、単独冠状動脈バイパス移植(CABG)手術では、直接比較した試験による結果は決定的ではない。著者らの目的は、単独オンポンプ CABG を受ける患者で、アプロチニンとトラネキサム酸(TXA)の有効性と安全性を比較することであった。

・公開された試験から得たの個々のデータと 3 件の他のデータベースから得た未発表データをプールした多施設前後研究である。4 つの三次教育病院(ボルドーの Haut-Leveque 病院、パリのピティエ・サルペトレール病院と Bichat-Claude Bernard 病院、ナントの Laennec 病院)。2003 年 11 月から 2008 年 5 月(n=1267)にアプロチニン、2007 年 11 月から 2013 年 11 月(n=1229)に TXA のいずれかを投与れた 2496 人の単独オンポンプ CABG 手術患者のデータを含めた。主要評価項目は、手術後 24 時間以内の総出血量であった。副次評価項目は、血液製剤の輸血、出血による再手術、腎代替療法、ICU 在室期間、院内死亡率であった。

・手術後 24 時間の出血量(483(11) vs 634(11)ml、P<0.0001)と、術中血液製剤輸血を必要とする患者の割合(32.7 vs 46.5%、P=0.01)はアプロチニン処置患者の方が少なかった。出血による再手術、腎代替療法、院内死亡率に関して差は認められなかった。しかし、アプロチニンを投与された患者は、調整 ICU 在室期間が有意に短かった。

・単独の CABG を受ける患者において、アプロチニンの方が TXA よりも術後出血量の減少において効果的であり、安全性の懸念は確認されなかった。単独 CABG 手術が予定されている患者で大量出血と輸血リスクを評価する際には、アプロチニンの利点を考慮する必要がある。

【出典】
Aprotinin vs. tranexamic acid in isolated coronary artery bypass surgery: A multicentre observational study.
Eur J Anaesthesiol. 2017 May;34(5):280-287. doi: 10.1097/EJA.0000000000000604.

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