冠状動脈バイパス術後の転帰に及ぼす少量輸血の影響

<ハイライト>
・1-2 単位の赤血球製剤は、冠動脈手術後の早期死亡のリスクには影響しなかった。
・輸血は、他の重大な有害事象のリスク増加と関連していた。
・危機的血行動態状態の患者を除外しても結果は持続した。

<要旨>
・研究の目的は、冠動脈バイパス術(CABG)後の転帰に及ぼす 1-2 単位の赤血球(RBC)輸血を必要とする軽度の周術期出血の影響を調査することだった。

・16 の心臓外科センターが、前向きの欧州 CABG 登録簿(E-CABG)に参加した。単独 CABG 中または後に 1~2 単位の RBC を投与された 1014 人の患者を、RBC を投与していない 2264 人の患者と比較した。

・827 組の傾向スコアが一致する対において、1-2 単位の RBC 輸血は、入院/30 日死亡(p=0.523)や、脳梗塞(p=0.804)のリスクに影響しなかった。しかし、RBC 輸血は、急性腎障害(p=0.008)、胸骨創部感染(p=0.001)、術後の抗生物質使用(p=0.001)、強心薬の長期使用(p<0.0001)、IABP 使用(p=0.012)、集中治療室在室期間(p<0.0001)、入院期間(p<0.0001)のリスク増加と関連していた。術前および術後の危機的循環動態を除いて相応させた対の分析では、RBC 輸血が入院中/ 30 日死亡以外の重大な合併症のリスク増加と関連していることを示した。

・軽度の周術期出血とそれに続く 1-2 単位の RBC 輸血は、早期死亡リスクに影響を与えなかったが、他の重大な有害事象のリスクを高めた。周術期の出血を最小限に抑え、少量の RBC 輸血を回避することは、CABG 後の転帰を改善する可能性がある。

[!]:極力出血を少なくし、輸血の必要性を少なくすることが重要だと。輸血量は少量であっても、膨大な抗原暴露に相当し、免疫系の攪乱と抑制をきたす。
画像

【出典】
The impact of minor blood transfusion on the outcome after coronary artery bypass grafting
Journal of Critical Care Published online: April 19, 2017

<関連記事>
CABG 後に血漿輸注で長期的死亡率が増加する

開心術後の輸血:リスクなのは患者か、それとも輸血か?


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック