片肺換気中、吸入麻酔剤の呼気終末濃度は、血中濃度を正確に推定できるか?

・吸入麻酔薬の呼気終末濃度は、許容可能な精度で動脈血分圧を推定し、麻酔深度の非侵襲的モニタリングのための標準的ケアある。しかしながら、この関係が、片肺換気中に起こるかなりの生理的擾乱中にも成り立つかどうかは不明である。本研究の目的は、片肺と両肺換気中でイソフルランとセボフルランの呼気終末と血中濃度との関係を調査することであった。

・計画的に動脈ラインと、イソフルランかセボフルランによる麻酔を伴う待機的胸部手術を受ける年齢 18 歳以上の患者が含まれた。呼気終末のイソフルランまたはセボフルランの記録は、挿管後と両肺換気で少なくとも 10 分間、次いで、片肺換気後で 10 分間記録された。呼気終末の記録と同時に 10mL の動脈血採血 2 本が橈骨動脈ラインから採取された。全動脈サンプルをヘッドスペース法を用いた高性能ガスクロマトグラフィー/質量分析法によって別に分析された。

・年齢 44~83 歳の 19 人の患者が研究に含まれた。12 人の患者はセボフルランで維持し、7 人はイソフルランで維持した。表 1 に、2 つの時点での麻酔薬の平均濃度を示す。呼気終末と動脈血濃度の関係の散布プロットは非線形であった。そこで、スピアマンの順位相関係数を調べたが、イソフルランとセボフルランは、いずれの時点においても、動脈血と呼気終末の濃度間に有意な相関(p<0.05)を生じなかった。

・本研究で発見された両肺での呼気終末と動脈血の濃度との関係がないことは、受容された薬理学に合致しない。少人数サンプルサイズの結果としての第 II 種び統計的誤差は、これらの所見を説明する可能性がある。加えて、患者の体温は測定されておらず、吸入麻酔薬の血液ガス溶解度への影響は分散をもたらした可能性がある。通常、動脈血濃度と呼気終末濃度との間には相違がある。しかし、この勾配は、年齢と摂取/排泄相によって一貫性があり予測可能であることが判明している。本研究で両肺換気中の呼気終末と動脈血濃度との関係を見出せなかったのは、片肺換気中の結果を信頼性を持って解釈することができないことを意味する。結論として、両肺または片肺の人工呼吸中に、イソフルランまたはセボフルランの呼気終末と動脈血濃度との間に統計的に有意な関連性は見られなかった。

[!]:有意な相関がみられなかったのはサンプル数が少なすぎるからだろう。しかし、片肺換気中にどれくらいの相関性がみられるのかは、確かに興味があるな。
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【出典】
Does the end-tidal concentration of inhalational anaesthetics accurately estimate blood concentration during one-lung ventilation?
Journal of Cardiothoracic and Vascular Anesthesia April 2017Volume 31, Supplement 1, Pages S56?S57

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