ラリンジアルマスクエアウェイの最小有効カフ膨張量の適用と術後咽頭合併症に及ぼす影響

・ラリンジアルマスク(LMA)のカフ圧が高いと、除去後に咽頭痛や嗄声といった高度の咽頭合併症を引き起こすことがある。低いカフ圧の LMA で全身麻酔を受ける患者には、気道のシーリングと適正換気を維持するのに、最低有効カフ膨張量の適用が示唆されているが、ほとんどの麻酔科では、現在のところ標準的ケアではない。本研究では、classic LMA Well Lead (Well Lead Medical Co.、Ltd.、China)の最小有効カフ膨脹量を決定し、術後咽頭合併症に及ぼす影響も検討した。

・短時間の泌尿器科手術を受ける ASA-PS(I-III)の患者を本試験に募集した。本研究 1 で、最初に、最小有効カフ膨張容積を、サイズ #4 と #5 の LMA Wll Lead について調査した。LMA の留置と理想的な位置が確認できたらすぐに、カフを、5、7、10 と 30mL まで 5ml ずつ増加させて膨張させた。上記のカフ容量に相当する時点で、陽圧換気下に、カフ内圧、口咽頭リーク圧(OLP)、最大吸気気道圧を記録した。次に、研究 2 では、登録患者は、最小有効カフ容量群(MC)と通常診療群(RC)に無作為に割り付けられた。術中と LMA 抜去前の麻酔回復室在室中を通して、MC 群では最小有効カフ膨張量が使用、維持されたのに対して、RC 群ではメーカー推奨最大カフ膨張量の半分で膨張した。LMA 抜去後、0、2、24、48 時間の咽頭合併症の発生率も記録した。

・カフ圧は、サイズ #4 LMA で 5~30ml の範囲で、正の線形相関(Y=11.68X-42.1、r2=0.9191)でカフ膨張容積によって変化した。サイズ #4 の LMA と同様に、データはまた、サイズ #5 の LMA について、カフ圧とカフ膨張容積との間には線形関係(Y=7.39X-10.9、r2=0.8855)が見られた。間欠的陽圧換気中に気道シーリングを維持するのに必要な OLP を考慮して、サイズ #4、または #5 の LMA の最小有効カフ膨張容積は 7~9ml であった。MC 群のカフ内圧の方が、RC 群と比較して低かった(サイズ #4 LMAについては 63.0±3.7 vs 126.4±24.0cmH2O、サイズ #5 LMAについては 55.6±2.4 vs 138.5±26.8cmH2O、P<0.0001)。咽頭有害事象の発生率は、LMA 除去 24 時間後、MC 群の方が RC 群よりも低かった。

・サイズ #4 または #5 の LMA Well Lead のカフ膨張容積とカフ内圧との関係は、5~30ml の範囲で線形相関関係にある。最小カフ膨張量は、LMA Well Lead の場合、満足の行く気道シーリングに適切であり、その結果として術後咽頭合併症の発生率低下と関連している。

[!]:ラリンジアルマスクのカフ膨張量とカフ圧との間には、各サイズごとに固有の線形相関関係がある。ということは、その係数さえ把握しておけば、カフに 1mL エアを追加すると、どれくらい圧が上昇するかは推定可能である。サイズ #4 の場合には、1ml の追加で 11.5cmH2O、サイズ #5 の場合、7.5cmH2O 程度の圧上昇が見込める。
画像

【出典】
Application of Minimum Effective Cuff Inflating Volume for Laryngeal Mask Airway and its Impact on Postoperative Pharyngeal Complications
Chin Med J 2015;128:2570-6

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック