心血管手術患者におけるハプトグロビン投与:術後急性腎障害の危険因子との関連

・急性腎障害(AKI)は、心臓術後にしばしば起こる。心臓手術中、血漿遊離ヘモグロビン(fHb)は溶血のために増加する。血漿中 fHb は腎毒性があると考えられているので、fHb スカベンジャーであるハプトグロビンは術後 AKI(pAKI)を予防する可能性がある。しかし、ハプトグロビンの術中投与と心臓手術後の AKI の発生との関連性を評価した研究はほとんどない。

・本研究は、心臓手術患者におけるハプトグロビンの術中投与と pAKI 発生率との独立した関連を評価するための後ろ向き的観察研究であった。著者らは、2008 年から 2015 年に人工心肺を必要とする心臓手術患者をスクリーニングした。術前に腎置換療法を必要とした患者は除外した。下行大動脈置換術を施行した患者は除外した。pAKI は、AKI ネットワーク基準に従って定義された。傾向スコア相応モデルを用いて交絡因子を調整した。高感度分析のために、さらにロジスティック回帰モデルを作成した。

・本試験に 1326 人の患者を含めた。全コホートにおける AKI 発生率は25.5%(338 例)であった。ハプトグロビンは 260 例(19.6%)で投与された。粗コホートでは、ハプトグロビン投与患者における AKI の発生率は 24.6% であり、ハプトグロビン投与を受けていない患者では 25.7% と有意差はなかった(P=0.72、オッズ比 0.94[95%信頼区間、0.69-1.29])。傾向スコアマッチング後、各群に 249 人の患者がいた(合計 498 人の患者)。この傾向スコア一致コホートでは、ハプトグロビン投与患者の AKI 発生率は 22.5% であり、ハプトグロビン投与を受けていない患者の発生率 30.9% よりも有意に低かった(P=0.033、オッズ比 0.65[0.43-0.97])。pAKI リスクのロジスティック回帰モデルでは、ハプトグロビン投与は AKI のリスク低下と独立して関連していた(P=0.029、調整オッズ比、0.54[0.31~0.93])。

・この仮説から生まれた単施設後ろ向き観察研究では、ハプトグロビンの術中投与は心臓血管手術後の AKI リスクの低下と独立して関連していた。

[!]:一応、ハプトグロビン投与は急性腎不全予防効果があるということで良さそうだな。
画像

【出典】
Haptoglobin Administration in Cardiovascular Surgery Patients: Its Association With the Risk of Postoperative Acute Kidney Injury.
Anesth Analg. 2017 Jun;124(6):1771-1776. doi: 10.1213/ANE.0000000000002093.

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