制限のない術中輸液療法が小児の術後悪心嘔吐に及ぼす効果 - 無作為化比較試験

・術後悪心嘔吐(PONV)は、手術後の最も苦痛を伴う合併症の 1 つである。周術期の補助的な輸液療法は、小児の PONV を減少させる効果的な戦略であろう。本研究は、小児で昌質液による制限のない術中輸液療法が PONV に及ぼす影響を評価するために実施された。

・本無作為化試験では、全身麻酔下に下腹部と陰茎の手術を受ける年齢 3-7 歳の合計 150 人の小児を無作為に 2 群に分けた。「制限群」では、術中乳酸リンゲル液を 10mL/kg/h で、「非制限群」では 30mL/kg/h で投与した。全患者に鎮痛のために仙骨ブロックとパラセタモールの静脈内投与を行った。オピオイドと筋弛緩剤は使用しなかった。嘔気嘔吐の全エピソードとレスキュー制吐薬の必要性を術後 24 時間評価した。

・PONV 発生率は、制限群と比較して非制限患者群の方が有意に少なかった。制限群患者の 33 人(45.8%)が嘔吐をきたしたのに対して、非制限群患者では 20 人(27.4%)が嘔吐した(RR 0.59、95%CI 0.38-0.93、P=0.021)。非制限群 vs 制限群の PONV の調整オッズ比は 2.24(95%CI:1.12-4.48、P=0.022)であった。術後 6 時間での液体摂取の発生率は、制限群患者の方が有意に多かった。制限群の 60 人(83%)の小児は喉の渇きを訴えたのに対して、非制限群では 12人(17%)の小児が訴えた(RR 0.19、95%CI:0.18-0.33、P=.0001)。非制限群の親の方が、制限群と比較して、満足していた(平均差 -0.9、95%CI:-1.8~0.1、P=0.04)。非制限輸液療法に起因する合併症はなかった。

・下腹部手術を受ける小児では、PONV を減少させる上で、非制限の術中輸液療法が効果的であることが判明した。

[!]:小児では積極的に輸液すべし!

【出典】
Effects of intraoperative liberal fluid therapy on postoperative nausea and vomiting in children-A randomized controlled trial.
Paediatr Anaesth. 2017 Jun 6. doi: 10.1111/pan.13179. [Epub ahead of print]

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