腹腔鏡下婦人科外科手術に際しての気腹中の肝血流量低下に伴うロクロニウム作用持続時間の変化

・腹腔鏡手術では、CO2 気圧による内臓灌流減少の可能性を考慮して、適度な吹送圧と深い筋弛緩(NMB)が推奨されている。肝臓はロクロニウム代謝の主要臓器であるため、腹腔鏡手術時の気腹中の肝灌流の変化に伴ってロクロニウムの NMB が変化するかどうかという疑問は調査に値する。

・本前向き研究では、待機的腹腔鏡下婦人科手術(腹腔鏡手術群)か、または婦人科手術のための開腹手術(対照群)のいずれかを予定されている合計 60 人の女性患者を分析した。ロクロニウムは閉ループフィードバック注入システムで投与し、これは臨床試験実施基準(GCRP)に準拠した NMB モニタリングも適用された。効果発現時間、臨床的持続時間、回復指数(RI)を測定した。腹腔鏡群/対照群で、吹送前/腹腔内侵入後(T1)、トレンデレンブルグ位で吹送 5 分後/皮膚切開の 5 分後(T2)、トレンデレンブルグ位で吹送 15 分後/皮膚切開 15 分後(T3)、トレンデレンブルグ位で吹送 30 分後/皮膚切開 30 分後(T4)、脱気 5 分後/閉腹前(T5)に、腹腔鏡下術中超音波検査により、肝血流を評価した。ロクロニウムの作用持続時間と門脈血流の関係を線形または 2 次関数回帰を用いて解析した。

・ロクロニウムの効果持続時間と RI は、共に対照群(29.0±5.8 分、9.8±4.0 分)と比較して、腹腔鏡手術群(36.8±8.3 分、12.8±5.5 分)の方が有意に延長した(P<0.0001、P=0.018)。腹腔鏡手術群では、対照群と比較して、全気腹期間中、門脈血流の有意な減少が見られた(P<0.0001)。ロクロニウムの作用持続時間と門脈血流量との間には有意な相関があった(Y=51.800-0.043X+(1.86E-005)X2; r2=0.491、P<0.0001)。

・腹腔鏡下婦人科手術中のロクロニウム誘発性筋弛緩は、CO2-気腹誘発性の門脈血流減少により延長する可能性がある。腹腔鏡下婦人科手術では望ましい筋弛緩を達成するのに必要なロクロニウムは少なくて済むだろう。

[!]:腹腔鏡手術では、気腹によって門脈血流量減少→ロクロニウムの代謝低下→作用時間延長→必要量減少をきたすと。なるほど。

【出典】
Changes in duration of action of rocuronium following decrease in hepatic blood flow during pneumoperitoneum for laparoscopic gynaecological surgery.
BMC Anesthesiol. 2017 Mar 20;17(1):45. doi: 10.1186/s12871-017-0335-1.

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