神経筋モニタリングなしのロクロニウム筋弛緩後の術後残存筋弛緩の発生率に及ぼす拮抗戦略の影響

・電子的神経筋モニタリングは、抜管前の筋弛緩の拮抗薬必要量を調査するために、またはその後の術後残存筋弛緩(PORNB)があるかどうかを調査するために広く使用されていない。本研究の目的は、ロクロニウム誘発性ブロックの自然回復後に PORNB の発生率を調べ、スガマデクス、ネオスチグミン、プラセボの投与の場合でこれを比較することであった。

・大学病院単施設で 2013 年 10 月から 2015 年 12 月までに実施された部分無作為化偽薬対照二重盲式 4 平行群試験で、134 人の適格患者のうち 128 人が同意し、125 人が試験を完了した。患者は、プロポフォール、セボフルラン、フェンタニル、ロクロニウムを用いて全身麻酔を受けた。神経筋伝達は、加速器筋弛緩モニター(TOF-Watch-SX; Organon Teknika B.V.、Boxtel、オランダ)によって測定されたが、麻酔科医は結果を知らされなかった。抜管する前に麻酔科医が薬理学的拮抗が必要であると判断した場合、患者は無作為にスガマデクス(2.0 mgkg)、ネオスチグミン(0.05 mgkg)、プラセボのいずれかを投与された。麻酔回復室では、実施された治療を知らない別の麻酔科医が、加速度筋弛緩モニターを用いて神経筋機能を評価した。主要評価項目は回復室到着時の正規化 TOFr <0.9 の発生率であった。

・合計で 125 人の患者が募集された。筋弛緩は 50 人の患者で自然回復したが、残りはスガマデクス(27 人)、ネオスチグミン(26 人)、プラセボ(22 人)のいずれかを投与された。PORNB の症例数は、スガマデクス、ネオスチグミン、自然回復、プラセボでそれぞれ 1 例(3.7%)、4 例(15%)、13 例(26%)、10 例(45%)であった。スガマデクスとネオスチグミンは、プラセボよりも効果的であった[オッズ比(OR):0.05、95%信頼区間(CI):0.005~0.403、P=0.005、OR:0.22、95%CI:0.056~0.85、P=0.028)。ネオスチグミン(OR:0.52、95%CI:0.15-1.79、P=0.297)と異なり、スガマデクスは自然回復よりも良好な結果を示した(OR:0.11、95%CI:0.014-0.89、P=0.039)。しかし、拮抗(プールされたデータ)は自然回復よりも効果的であった(OR:0.3、95%CI:0.1~0.9、P=0.03)。

・臨床的兆候に基づく薬理学的拮抗は自然回復よりも優れていたが、拮抗薬とは無関係に PORNB を予防しなかった。

[!]:麻酔科医が、50/125 人の患者では、拮抗が必要ないと判断したが、その 26% にはPORNB があったと。薬理学的拮抗を行うにしろ行わないにしろ、筋弛緩モニターを使用した方がよい。

【出典】
Impact of reversal strategies on the incidence of postoperative residual paralysis after rocuronium relaxation without neuromuscular monitoring: A partially randomised placebo controlled trial.
Eur J Anaesthesiol. 2017 Sep;34(9):609-616. doi: 10.1097/EJA.0000000000000585.

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