小児に対する救急部での処置時鎮静の有害事象のリスク要因

・痛みを伴う処置を受ける小児に対して処置時の鎮静は、世界中の救急病院で標準的に行われている。救急部での鎮静に関するこれまでの研究は、単施設での研究による限界があり、重篤な有害事象(SAE)の危険因子を特定することができないため、鎮静診療と患者予後に及ぼす影響が限られている。今回の研究の目的は、鎮静関連の SAE の発生率と危険因子を調査することであった。

・前向き多施設観察コホート研究は。この計画は、2010 年 7 月 10 日から 2015 年 2 月 28 日まで、カナダの小児救急部 6 施設で実施された。救急部で痛みを伴う処置に際して鎮静を受ける年齢 18 歳以下の小児が本研究に登録された。包含対象となった 9657 例の患者のうち、6760 人(70.0%)が登録され、6295 人(65.1%)が最終分析に含まれた。主なリスク要因は、鎮静薬の投与であった。二次的リスク要因は、人口統計学的特徴、処置前投薬、絶食状況、現在または背景的健康リスク、処置の種類であった。4 つの評価項目を調査した:有害事象、有害事象に対して実施された有意な介入、酸素不飽和、嘔吐。

・本研究に対象となった 6295 人の小児のうち、4190 人(66.6%)が男児であり、平均(SD)年齢は 8.0(4.6) 歳であった。有害事象は 736 例(11.7%; 95%CI、6.4%-16.9%)で発生した。酸素飽和度低下(353 人の患者[5.6%])と嘔吐(328 人[5.2%])がこれらの有害事象の最もよくあるものであった。69 例の SAE(1.1%; 95%CI、0.5%~1.7%)があり、86 人の患者(1.4%; 95%CI、0.7%~2.1%)は重要な介入を受けた。塩酸ケタミン単独の使用が、SAE 発生率(17[0.4%])と有意な介入がが最も少なかった(37[0.9%])。鎮静に伴う有害転帰の発生率は、鎮静薬の種類によって大きく異なった。ケタミン単独と比較して、プロポフォール単独(3.7%、オッズ比[OR]、5.6、95%CI、2.3-13.1)、ケタミンとクエン酸フェンタニルの併用(3.2%; 6.5.5%CI、2.5-15.2)、ケタミンとプロポフォール併用(2.1%; OR、4.4; 95%CI、2.3-8.7)は SAE の発生率が高かった。ケタミンとフェンタニル併用(4.1%; OR; 4.0; 95%CI、1.8-8.1)、ケタミンとプロポフォール併用(2.5%; OR、2.2; 95%CI、1.2-3.8)は、有意な介入の発生率が最も高かった。

・鎮静時の有害転帰の発生率は、鎮静剤の種類によって大きく異なっていた。ケタミン単独の使用は最良の転帰と関連しており、プロポフォールやフェンタニルと併用したケタミンよりも有意に SAE と介入が少ないと言う結果となった。

[!]:ケタミンが最も気道開存性と、咽頭喉頭反射を温存できそうであり、酸素飽和度低下や嘔吐が起きにくいのだろう。昔からお言われている通りかな。

【出典】
Risk Factors for Adverse Events in Emergency Department Procedural Sedation for Children.
JAMA Pediatr. 2017 Aug 21. doi: 10.1001/jamapediatrics.2017.2135. [Epub ahead of print]

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