帝王切開分娩における新生児 Apgar スコアに及ぼす全身麻酔前の低用量フェンタニル前投与の効果

・全身麻酔を導入する前のオピオイド投与は、帝王切開においては問題と考えられる。本研究の目的は、待機的帝王切開分娩において、全身麻酔導入前の前投薬としてのフェンタニル vs プラセボの静脈内投与が、母体循環動態パラメータと、新生児の 1 分・ 5 分 Apgar スコアに及ぼす効果を比較することであった。

・本二重盲式無作為化臨床試験は、2014 年~ 2015 年にイランのビリャンド州 Vali-e-Asr 病院で実施された。全身麻酔下で待機的帝王切開を受ける 90 名の満期妊娠女性が選ばれた。参加者はフェンタニル群とプラセボ群の 2 群に無作為に分けられた。フェンタニル群では麻酔導入 3 分前に静脈内フェンタニル 1μg/kg を投与し、プラセボ群に対しては生食を 2mL 投与した。麻酔導入開始前と挿管 30 秒後の母体の平均動脈圧、心拍数を測定した。また、新生児の Apgar スコア 1分・ 5 分は群割り当てを知らない麻酔科が評価して記録した。

・挿管後の母体の平均血圧は、フェンタニル群の方が、プラセボ群よりも有意に低かった。心拍数は、フェンタニル群と比較して、麻酔導入開始前と挿管後で、プラセボ群の方が有意に高かった。新生児 Apgar スコアの 1 分と 5 分は、両群間で統計的に差がなかった。

・帝王切開麻酔導入前の 1μg/Kg の静脈内フェンタニル投与は、挿管後の母体循環動態変化を減少させる。さらに、新生児 Apgar スコアには、出生後 1~ 5 分に何ら影響を及ぼさない。

[!]:帝王切開に対する全身麻酔導入時のフェンタニルの新生児に及ぼす影響と安全性についてはいまだ十分なエビデンスがない。母体自体の高度の呼吸抑制が生じない用量 1μg/kg 程度では、新生児へも影響はないようだ。

【出典】
The effect of low dose fentanyl as a premedication before induction of general anesthesia on the neonatal apgar score in cesarean section delivery: randomized, double-blind controlled trial.
Med J Islam Repub Iran. 2016 Apr 27;30:361. eCollection 2016.

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