長時間片肺換気を伴う肺切除手術後の術後肺合併症、肺/全身性炎症反応を静脈 vs 吸入麻酔で比較

・最近の研究は、肺切除術(LRS)中のハロゲン化麻酔薬の免疫調節性の肺保護的な役割を報告しているが、臨床的な術後肺合併症(PPC)の差については検討していない。本研究の主な目的は、LRS を受ける患者で PPC の発生率に及ぼすセボフルランとプロポフォールの効果を比較することであった。第 2 の目的は、LRS に対する肺と全身の炎症反応を比較することであった。

・LRS を受ける募集患者 180 人のうち、174 人の患者からのデータを分析した。患者は 2 群(プロポフォールか、またはセボフルラン)に無作為に割り付けられ、それ以外は同じ麻酔プロトコールを用いて管理された。サイトカイン分析のために片肺換気前後の両肺で気管支肺胞洗浄(BAL)を行った。 BAL 液中で分析したサイトカインの測定のために、5 つの時点で動脈血を採取した。術中の血行動態と呼吸パラメーター、PPC(ARISCAT 研究後に定義された)、術後 1 ヶ月と 1 年の死亡率が記録された。

・プロポフォール群では PPC が多く検出された(28.4% vs 14%、OR 2.44[95%CI、1.14-5.26])。初年度の死亡率はプロポフォール群で有意に高かった(12.5%vs 2.3%、OR 5.37[95%CI、1.23-23.54])。肺/全身性炎症性サイトカインの発現は、セボフルラン群よりもプロポフォール群の方が大きかった。肺と全身の IL-10 放出は、プロポフォール群の方が少なかった。

・著者らの結果は、LR??S 中のセボフルラン投与が、本研究で記録された PPC の頻度を減少させ、肺と全身の炎症反応を軽減させることを示唆している。

[!]:片肺換気時には、プロポフォールよりもセボフルラン投与によって肺の炎症反応を軽減し、予後を改善する可能性があると。

【出典】
Postoperative pulmonary complications, pulmonary and systemic inflammatory responses after lung resection surgery with prolonged one-lung ventilation. Randomized controlled trial comparing intravenous and inhalational anaesthesia
British Journal of Anaesthesia Published: 31 August 2017

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