開腹手術時の外科医の術野評価に及ぼす深い筋弛緩の影響:ロクロニウムとスガマデクスを用いて

・開腹手術中、患者の腹壁や横隔膜が緊張している場合、外科医は困難な術野状態を経験することがある。深部筋弛緩(NMB)は、PTC が 0-1 と定義し、腹壁筋肉と横隔膜を麻痺させる。著者らは、深い NMB(PTC 0-1)は、標準的な NMB と比較して、上腹部開腹手術中の術野状態の主観的評価を改善すると仮定した。

・これは二重盲式無作為化試験であった。待機的上部開腹術を受けた合計 128 人の患者を、連続的な深い NMB(ロクロニウム 2mg/ml の注入)か、または標準 NMB(ロクロニウムのボーラス 10mg または麻酔深度の増加)のいずれかに無作為化した。術野状態は、30 分ごとに 5 点の主観評価尺度(1:極端に不良、5:最適)を用いて評価した。主要評価項目は、患者の術野状態スコアの平均であった。他の評価項目は、筋膜閉鎖時の術野評点スコア、術野状態を最適化する必要性の発生、創傷裂開の発生、創部感染であった。

・標準的 NMB と比較して深い NMB は、術野状態のより良い評価をもたらした:それぞれ、中央値 4.00(範囲 1~5)と比較して 4.75(範囲 3~5)(P<0.001)であった。標準的 NMB と比較して深い NMB は、筋膜閉鎖時に術野状態のより良い評価をもたらし(P<0.001)、術野状態を最適化する必要性のエピソードが少なく(P<0.001)、突然の体動を伴う事象が少なかった(P<0.001)。手術時間、創部感染の発生、創傷裂開に差は認められなかった。

・深い NMB は標準 NMB と比較して、開腹手術中の術野状態のより良い主観的評価をもたらした。

[!]:個人的に、通常は上腹部手術なら TOF=0~1 で調節しているが、もっと深い方が外科医は嬉しいんだろうな。

【 出典 】
Influence of deep neuromuscular block on the surgeonś assessment of surgical conditions during laparotomy: a randomized controlled double blinded trial with rocuronium and sugammadex
British Journal of Anaesthesia, Volume 119, Issue 3, 1 September 2017, Pages 435–442

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