気管チューブカフのゲルによる潤滑化は、誤嚥を減少させる

・流体のリークは、膨張した大容量低圧カフの壁内の長軸方向の折り目に沿って生じる。理論的には、カフを水溶性ゲルで潤滑化すると、カフ壁のチャンネルを埋めることによって誤嚥を防止できる可能性がある。麻酔中の誤嚥は術後肺炎と関連しており、重症疾患時には人工呼吸器関連肺炎を引き起こす。

・実験室モデル(n=5)と、麻酔患者の前向き二重盲式無作為化対照試験(n=36)で、声門下腔から気管支樹の間に入れた色素のリークについて、潤滑化カフを、非潤滑化カフと比較した。気管切開術を受けた重症患者(n=9)で前向き非盲式観察研究で、潤滑剤の有効期間を測定した。気管吸引時に分泌物の色素着色により、色素は臨床的に検出された。

・実験室モデルでは、リークの発生率は潤滑化群で 0%、非潤滑化群で 100% であった(P<0.01)。麻酔をかけた患者の色素漏れは、潤滑化群で 11%、非潤滑化群で 83% であった(P<0.0001)。潤滑化したカフ付き気管切開チューブのある重症患者では、中央値 48 時間(範囲、24~120 時間)後にリークが最初に起こった。

・水溶性ゲルを用いたカフの潤滑化は、麻酔患者の誤嚥を減少させる。気管切開術を受けた重症患者では、24~120 時間後に保護効果が失われる。

[!]:これは、ちょっと古い文献だが・・・。テイバー型のカフでなくても、潤滑剤をきちんと塗れば誤嚥を防げるのだ。長期留置になる重症患者では、テイバー型のカフの方が良さそうだ。

【出典】
Gel lubrication of the tracheal tube cuff reduces pulmonary aspiration.
Anesthesiology. 2001 Aug;95(2):377-81.

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