低圧気腹腹腔鏡下胆嚢摘出術における術野状態に及ぼす筋弛緩の深さの影響:無作為化盲式試験

・研究目的は、低圧気腹(8mmHg)腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)中の筋弛緩(NMB)が術野条件に及ぼす影響を評価し、中等度および高度 NMB を比較することであった。副次的な目的は、高度 NMB 下で実施された低圧気腹 LC の術野条件は、標準圧気腹(12mmHg)LC で提供された術野条件に匹敵するかどうかを評価することであった。

・待機的 LC に予定された、ASA 1/2 の患者 90 名を対象とした手術室での前向き無作為化盲式臨床試験である。患者を 3 群に分類した:1 群:中等度 NMB(1-3 TOF)の低圧気腹、2 群:高度 NMB(1-5 PTC)の低圧気腹、3 群:標準圧気腹(12mmHg)。ロクロニウムを用いて NMB を誘発し、加速度筋弛緩モニターを使用して NMB モニタリングを行った(TOF-Watch-SX)。経験豊富な 3 名の外科医が、3 時点で 4 段階尺度を用いて術野状態を評価した:手術部位の展開、胆嚢剥離、摘出/閉鎖。

・低圧気腹(1 群 vs 2 群):良好な術野は各時点で、96.7% vs 96.7%、90 vs 80%、89.6 vs 92.3%、p>0.05 であった。群間で最適な術野状態に差は観察されなかった。8mmHg 気腹での手術完了:96.7vs 86.7%、p=0.353。高度 NMB の標準圧気腹 vs 低圧気腹(3 群 vs 2 群):良好な術野: 3 つの時点で 3 群では 100%(p=0.024 vs 2 群では胆嚢の剥離時)。標準圧気腹 LC 時の最適な術野の割合は、評価の 3 つの時点で有意に高かった。

・NMB の深さは、術野状態の改善や経験豊富な外科医による低圧気腹 LC の完了において決定的ではないことが判明した。術野条件は、NMB の深さに関わらず、高度 NMB の低圧気腹よりも、標準圧気腹の方が良好であると考えられた。

[!]:高度筋弛緩+低圧気腹よりも、標準圧気腹の方が術野は良好だと。

【出典】
Influence of depth of neuromuscular blockade on surgical conditions during low-pressure pneumoperitoneum laparoscopic cholecystectomy: A randomized blinded study.
J Clin Anesth. 2017 Nov;42:26-30. doi: 10.1016/j.jclinane.2017.08.005. Epub 2017 Aug 30.

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