帝王切開時の予防的抗生物質投与のタイミング(皮膚切開前と臍帯遮断後)が母体と新生児に及ぼす効果

・帝王切開分娩(CD)は、産後感染のリスクを 5~20 倍増加させる。手術部位感染(SSI)の予防は、予防的抗生物質投与の目標である。本研究は、抗生物質予防投与の最適タイミングを評価し、胎盤関門を通過する抗生物質の量を評価するために行った。

・説明と同意の後、CD の決定が下されると、適切な妊婦が募集された。各母体は、無作為化コードに基づいて、皮膚切開前と、臍帯遮断後に 2 回の注射剤を投与された(試験薬セファゾリンとプラセボ)。人口統計学、母体と新生児のモニタリングデータは、入院から退院するまで、また産後 6 週間目の外来訪問時に収集された。予防的抗生物質の濃度は、新生児 8 人ごとに臍帯血から測定した。本研究の目的は、帝王切開(CD)で予防抗生物質である静脈内セファゾリン 1 g の異なる投与タイミング(皮膚切開前、臍帯遮断後)が、母体と新生児に及ぼす効果を比較することであった。経過追跡された副次評価項目は、母体と新生児の再入院回数であった。適切な検定法とフィッシャーの正確確立検定を使用して、リスク変数と転帰との関連性を見い出した。

・登録された母体総数は 1106 人であり、553 人の母親が皮膚切開前(切開前)に抗生物質を受け、543 人の母親が臍帯遮断後(切開後)に抗生物質を投与された。切開前群の方が、切開後群と比較して、発熱性疾患(RR=0.48、95%CI:0.29-0.80)と SSI(RR=0.14、95%CI:0.04-0.53)が有意に低かった。切開後群の方が、切開前群の 4~7 日間の在院と比較して、入院期間>7 日が有意に多かった(p=0.005)。新生児転帰にはなんら差はなかった。臍帯血中の抗生物質量はわずか 2~3% であった。

・切開前抗生物質予防投与は、母体を SSI と発熱性疾患から保護し、入院期間を有意に減少させた。

[!]:胎児娩出前の抗生剤投与は、新生児に影響を及ぼすと考えて、執刀前に投与しない場合もあったのだろうが、やはり細菌暴露時に組織の抗生物質濃度が一定濃度以上になっていることが望ましいという事だな。

【出典】
A randomized controlled double blind trial comparing the effects of the prophylactic antibiotic, Cefazolin, administered at caesarean delivery at two different timings (before skin incision and after cord clamping) on both the mother and newborn.
BMC Pregnancy Childbirth. 2017 Oct 3;17(1):340. doi: 10.1186/s12884-017-1526-y.

<関連記事>
出生前抗生物質暴露、帝王切開と小児肥満のリスク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック